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関西の奥入瀬「赤西渓谷」 渓谷沿い森林鉄道跡を歩く

まちを支えた雄姿 24年10月に復活

宍粟市を代表する観光スポット、赤西(あかさい)渓谷。「ひょうごの森百選」や「ひょうご森林浴場50選」「水源の森百選」に選ばれている景勝地で、ゆるやかな渓谷に沿った林道は、青森県十和田市にある名勝・奥入瀬渓流に似ていることから「関西の奥入瀬渓流」と言われている。ハイキングコースや森林セラピーロードとしても活用されている。

赤西渓谷

赤西渓谷

赤西渓谷にはかつて森林鉄道が走っていた痕跡を見ることができる。渓谷のある波賀町エリアは森林資源に恵まれ、林業の最盛期には「大阪営林局のドル箱」と言われたほど。波賀森林鉄道は、木材を搬出するため敷設されたもので、渓谷に沿って総延長50数キロを誇る大規模なものだった。1916年から運行が始まり、68年に全線廃止になるまで、地域の林業はもちろん国の経済をも支えてきた。

波賀森林鉄道

かつての波賀森林鉄道

赤西渓谷以外にも、音水(おんずい)渓谷などに森林鉄道の遺構が残っている。軌道跡の一部は75年に旧波賀町が林野庁から払い下げを受け、現在はサイクリングロードや遊歩道として活用してきた。

森林鉄道の遺構

渓谷沿いに残る森林鉄道の遺構

音水渓谷の森は、スギやヒノキの針葉樹とブナやミズナラなどの広葉樹が入り混じった天然の混合林が形成されている。樹齢200年以上の天然杉が残っているほか、渓谷入口から約2キロ付近にある明神滝は2つの渓流から1つの滝壺へ落ちる珍しい姿を見せる。

市内の渓谷はほかにも見どころ十分。福知渓谷は新緑や紅葉など四季折々に美しい渓谷。作家の田辺聖子に愛され、著書「すべってころんで」で「眺望絶景の場所である」と称賛している。

森林鉄道については現在、地元の住民団体「波賀元気づくりネットワーク協議会」が、観光用として森林鉄道の復活に取り組んでいる。北陸地方整備局立山砂防事務所が使っていた立山砂防工事専用軌道のディーゼル機関車を宍粟市が競売で落札した車両を用い、フォレストステーション波賀に線路を敷設、2024年10月に運行開始を予定している。

波賀森林鉄道

来年秋に運行予定のディーゼル機関車

兵庫県宍粟市 観光に関するお問い合わせ

公益財団法人しそう森林王国観光協会
〒671-2558 兵庫県宍粟市山崎町上比地374(兵庫県立国見の森公園内)
電話:0790-64-0923 FAX:0790-64-5011

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