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ジビエを因幡の名物に 鳥取県、官民協働で消費拡大に挑戦

厄介者から美食食材へ

鳥取県が野生鳥獣を使った「ジビエ料理」の開発、普及に取り組んでいる。シカやイノシシによる農林への被害が増える中、捕獲し地域資源として有効活用しようと、県と地元飲食店がタッグ。鳥取の食の魅力のひとつにまで高めるべく、美味しさアップ、消費拡大へ飛躍をねらう。

舞台は鳥取市と八頭郡3町の県東部因幡地方。2012年に狩猟者から飲食店までが参加して「いなばのジビエ推進協議会」が発足、県も積極的に参画して官民一体による“厄介者から魅力への転換”プロジェクトに取り組み始めた。

目指すのはジビエのイメージアップと消費拡大。そのためには「安全・安心」を大前提に、解体処理施設の衛生管理指導や、食品衛生の認証制度「HACCP」の認証の推進などに重点的に取り組んでいる。消費拡大へは「ジビエフェア」など県内や首都圏でのイベント、ジビエ料理の講習会などを展開。17年には若桜町の「わかさ29工房」が農林水産省の「ディスカバー農山漁村の宝」に設定、肉の供給体制も現段階での消費量分はクリアするなど、普及への下地は整い始めた。

後は肝心の「美味しさ」。これに因幡地方の若手料理人でつくる「惣和会」が立ち上がり、ジビエ料理を創作している。域内の飲食店でジビエ料理の提供、イタリア料理のジビエ料理のレシピ集の発行、19年には県産シカ肉を課題食材とする国際料理コンクールの開催も決まるなど、着実に歩みを進めている。

同協議会ジビエコーディネーターの米村晴己さんは「ジビエの和食、懐石料理化も進めるなど料理の幅は広がっており、5月中には提供も始まります。地域への観光客の滞在力向上につながれば。各地から視察も増え、ジビエ活用の全国モデルケースにまで高めたい」と意欲を示す。

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