元寇を後世に語り継ぐ使命感 壱岐・松浦の人たち
平和を思う旅
鎌倉時代中期、壱岐では文永の役、弘安の役と、2度にわたってモンゴル帝国(元)に攻められ、激しい戦いが繰り広げられました。元軍は武士だけでなく、目をそむけたくなるような殺りくを住民に行いました。
壱岐の人たちの元軍への怒りは相当なものだったと思うのですが、壱岐の人たちは亡くなった元軍の兵士を日本人と一緒に葬り、千人塚を作って弔いました。現在も毎年、慰霊祭が行われていて、ガイドの方から「昔の人たちが苦しみや悲しみを乗り越えてこられたから、現在があるんです」と話されていたことが印象的でした。
今回の取材は元寇がメインでしたが、初めて訪れた壱岐は食や自然、歴史のすばらしさ以外にも人の温かさがあり、観光のキャッチフレーズになっている「実りの島」であることを実感しました。
松浦では元寇を深掘りし、水中考古学や松浦の歴史などに触れました。鷹島海底遺跡は水中考古学の先進地として、大学の研究者らが約40年間、代替わりしながら研究を続けてこられた成果を観光資源にしようという思いを強く感じました。世界で海底の遺物を直接見学ができる場所はないと思いますのでインバウンド需要にも期待できると思いました。
壱岐・松浦の人たちのなかで「元寇」について捉え方には違いがあるものの、共通しているのは世界で戦争が続く世の中で「元寇」という歴史があったという事実を後世に語り継いでいかなければならないという使命感をお持ちだということを強く感じたことです。
壱岐・松浦を訪れた私たちも、そうした思いを次代の人たちにしっかりと伝えていかなければいけないと思いました。
(キューカン大阪事務所・福島恵実)
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