「観光×学び」を推進 篠原一生・壱岐市長
壱岐の歴史を国内外へ発信
―蒙古襲来750年をどう捉えていますか。
蒙古襲来に際して多くの島民が犠牲となり、その苦難の歴史を忘れてはいけません。この逆境を乗り越えた先人たちの強じんな精神を伝える歴史遺産が島内各地に点在しており、今を生きる私たちが歴史を学び、後世に伝えていくべきことだと思っています。
併せて750年という節目の年に全国的にもこの元寇の悲劇の歴史に注目していただき、改めて蒙古襲来への関心を高めてほしいですね。
―元寇遺跡をどのように活かしていきますか。
750年も前に存亡をかけた大きな戦が起こり、その苦難を乗り越えた日本人の生きざまは、世界的にも情勢の不安定な現在、それらに立ち向かおうとする精神について、改めて考えさせられる事実としての価値は高いです。
元寇にゆかりのある県内の自治体(対馬市・松浦市)と連携し、元寇スタンプラリーなどの各種事業を展開することで、これまでほかの観光資源に埋もれていた元寇の歴史やその影響を国内外の観光客に伝え、日本、壱岐島の魅力を再発見してもらい、地域の活性化につなげたいと思います。
また、これからの壱岐の観光振興には新しい切り口が必要だと考えており、今後は従来の観光から学び型、体験型などの観光形態に変更・発展させることによって、観光資源を有効に活用したいと思っています。
―元寇遺跡を持つ25自治体で交流するネットワークがスタートしましたが、壱岐の位置づけをどう考えていますか。
歴史の教科書では日本の武士たちが博多湾で懸命に戦い、最終的には神風が吹いて元寇が退散したと説明されています。近年、元寇が最初に上陸し激戦が繰り広げられた対馬は、アニメやゲームなどによって元寇との結びつきが全国的に知られて注目を集めています。
一方で壱岐は、元軍の本土上陸の通過地点的な位置づけにとどまり、島内での激戦やその悲劇的な結末についてはほとんど知られておらず、今まで注目を浴びることもありませんでした。
文永の役から750年となることを機に企画展やイベントなどを開催し、平景隆や少弐資時といった国土防衛に奮闘した武士たちの活躍に光を当てることで、広く国内や海外へ史実を伝えていきたいと思います。
―今年4月に就任した新市長としての抱負をお聞かせください。
観光振興は壱岐市の経済を支える重要な取組みです。壱岐の恵まれた自然環境や歴史遺産などの観光資源を活用しながら、壱岐の魅力をさらに発信していきます。
また歴史や文化、自然を学ぶ体験プログラムを提供し、修学旅行や企業研修など子どもから大人まで幅広い世代が壱岐を訪れ、学びながら楽しむことができる、観光と学びを融合させた「観光×学び」を推進していきます。
蒙古襲来750年・長崎県壱岐・松浦 旅のおすすめサイト
ながさき旅ネット 元寇の遺産を巡る【長崎県】
実りの島、壱岐 壱岐観光ナビ【壱岐市】
松恋_松浦市の観光情報サイト【松浦市】
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