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「北条の宿」を歩く 社寺や文化財の歴史紀行

住吉神社と酒見寺 五百羅漢に信仰心感じて

加西・北条の歴史紀行の舞台、北条町旧市街地・北条の宿(ほうじょうのしゅく)界わいには、地域の歴史を物語る社寺や文化財、街道が点在。これらを訪ね歩いて往時から続く地域の魅力を感じよう。

住吉神社は、北条の宿門前町の中心的存在。717年からの歴史を持ち、住吉大神の宮九箇処の一社であり、2022年12月に本殿3棟と拝殿が国重要文化財に指定された。約850年前に日照りが続いた際、雨ごいが行われたとされる「勅使塚」も。4月に催される「北条節句まつり」は播州三大祭りのひとつとして知られ、東西の神輿、15台の屋台が町中での巡行と宮入を行うなど優美さと勇壮さを併せ持つ祭事として伝統を受け継いでいる。

同じく門前町の中心をなす酒見寺は、745年に行基が開山したと伝わる古刹だ。境内には山門や引声堂、地蔵堂、多宝塔、新観音堂、本堂、鐘楼などが並び、なかでも国指定文化財の多宝塔は必見。塔内に大日如来を安置し、屋根の上重が桧皮葺、下重が瓦葺という珍しい様式で木組み、極彩色の装飾文様の美しさから「全国でもっとも美しい多宝塔」と呼ばれる。

酒見寺多宝塔

国指定文化財の酒見寺多宝塔

五百羅漢は、500体もの石仏が建ち並ぶ石像群。古くから「親が見たけりゃ北条の西の五百羅漢の堂に御座れ」とうたわれ、表情豊かな姿に必ず親や子に似た像があるとされ、古くから信仰されてきた。謎に包まれた存在だったが、近年の調査で造立は江戸時代初期、酒見寺の復興にあわせて造立されたと考えられるようになった。風化しながらも石仏約500体がほぼ原型を留めており、往時の素朴な信仰心を今に伝えている。例年、8月には千灯会、11月下旬には紅葉のライトアップで夜の幽玄の世界を感じるのもいい。

五百羅漢

500体の石仏が建ち
並ぶ「五百羅漢」

少し足を延ばして、横尾街道にも行ってみよう。穏やかに曲がる街道沿いには古くからの家屋が建ち並び、漆喰壁、千本格子、宇建など往時の面影が色濃く残る。国登録文化財の高井家住宅や水田家住宅があり、水田家住宅はカフェ「横尾歴史街道町かど亭」として観光拠点の役割を担う。静かなたたずまいのなかに歴史を感じる散策は、旅人の探求心もくすぐってくれるはずだ。

兵庫県加西市 観光に関するお問い合わせ

加西市ふるさと創造部 文化・観光・スポーツ課
〒675-2395 兵庫県加西市北条町横尾1000
電話:0790-42-8756 FAX:0790-42-8745

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