北条鉄道で加西の魅力を知る 駅長公募や季節のイベント列車
誇りを守る地域のパワー ノスタルジーの世界へ誘う旅
加西市を走る北条鉄道。北条町駅と小野市の粟生駅間の全長13・6キロを片道22分で結び、粟生駅からJRや神戸電鉄で都市部へとつながっている。確かに小さな鉄道路線ではあるけれど、ローカル線ならではの緩やかな時間と田園風景は、住民だけでなく旅人の心を癒す確かな“資産”。この地域の誇りを守るべく様々な取り組みが展開され、地域を盛り上げている。
加西市のある兵庫県播州地方にはかつて国鉄時代に加古川線、三木線、鍛冶屋線、高砂線、北条線の5路線が走っていたが、すでに3線が廃止。北条鉄道は第3セクター鉄道として存続している。1995年の開業以降赤字続きで、鉄道ファンが乗りに来るだけで沿線住民の関心は低かったこの路線が存続している理由には、地道な取り組みがあった。
8つある駅のうち無人駅7駅の駅長を公募し、駅長に鉄道の利用促進につながる活動を求めたほか、08年からは加西市と「北条鉄道まつり」を実施し、鉄道と市民との距離を縮めるなどして沿線住民からの支援の輪が少しずつ広まった。
鉄道ファンに対しては、法華口駅に「行き違い交差設備」を採り入れ写真撮影スポットとしたほか、人気のキハ40の中古車両を購入。さらに列車本数も増発。夏には「かぶと虫列車」「ビール列車」、冬には「サンタ列車」「おでん列車」などのイベント列車も走るなど話題には事欠かない。
市民と鉄道ファンを惹きつけ、鉄道と地域を盛り上げるのが北条鉄道のパワーだが、もちろん路線の魅力もローカル線らしい懐かしい風情にあふれている。
長駅や播磨下里駅や法華口駅は大正期の木造駅舎。駅名標も含め、そこはもう昭和の世界だ。起点の北条町駅や法華口駅ではレンタサイクルもあり、周辺観光を促す。乗車も心地のよいエンジン音と振動のなかゆっくりと進み、のんびりとノスタルジーの世界へ誘ってくれるのが北条鉄道の人気の秘けつだ。
兵庫県加西市 観光に関するお問い合わせ
加西市ふるさと創造部 文化・観光・スポーツ課
〒675-2395 兵庫県加西市北条町横尾1000
電話:0790-42-8756 FAX:0790-42-8745
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