鶉野飛行場跡で平和を実感 紫電改の実物大模型展示
修学旅行、平和学習 目的地として新名所
播磨平野に広がる加西市の広大な平坦地のど真ん中に巨大な滑走路が走る。鶉野飛行場跡。日本海軍・姫路海軍航空隊が第二次世界大戦時に開設、使用した戦争遺産だ。大戦末期に多くの若者が飛び立ち、空に散った悲しい歴史。現代の世に平和の尊さを強く訴えかけるという責任を果たすべく、滑走路などの遺跡が今も静かに横たわり続けている。
鶉野飛行場は、戦況の悪化に伴い、パイロットを養成するため、昭和18年に完成。姫路海軍航空隊が開設された。飛行場の西南に併設された川西航空機姫路製作所鶉野工場では、「紫電」「紫電改」などの組み立てと飛行試験が行われていた。
当時の航空隊には、全国から17―25歳の約500人の若者が招集。飛行訓練を受け、各航空隊へ配属された。昭和20年、練習生による神風特別攻撃隊「白鷺隊」が飛び立ち、63人の命が失われ、終戦を迎えた。
終戦後80年弱が経った現在もこの地には、実際に使われていた滑走路跡、周辺には防空壕跡や爆弾庫跡、対空機銃座跡など戦争の記憶が残る。平和祈念の碑も建立され、鎮魂と平和の祈りが捧げられている。
加西市ではこの歴史を後世に伝え、平和の大切さを伝える取り組みを展開。施設での歴史紹介やモデルコース、観光ガイドの案内などで当時の歴史を紹介している。
2022年4月にオープンした地域活性化拠点施設「soraかさい」は、鶉野飛行場に関連する展示や物販・飲食、観光案内、イベントなど交流機能を持つ。この地で組み立てられていた紫電改のほか、九七式艦上攻撃機の実物大模型などを展示している。加えて、鶉野飛行場建設から終戦までの約3年間をストーリー映像で紹介している。
また、巨大防空壕跡では、「白鷺隊」隊員の遺書を20分の映像で紹介するプロジェクションマッピングを放映。これら平和関連施設と観光ガイドを活用した修学旅行、平和学習の利用も増えているという。
観光ガイドの案内で防空壕跡など遺産の内部見学も可能。2人以上で案内日の2週間前までに申し込む。
申し込みは加西市観光協会 電話0790―49―8200。
兵庫県加西市 観光に関するお問い合わせ
加西市ふるさと創造部 文化・観光・スポーツ課
〒675-2395 兵庫県加西市北条町横尾1000
電話:0790-42-8756 FAX:0790-42-8745
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