加西が好きで仕方ない
まちの名前を全国区に 地産地消で魅力発信
加西市には「加西が好きで仕方がない」という住民が数多くいる。加西のために何かをしたい、と日々活動を続けている人たちの代表を紹介しよう。
まずは市内で西村書店を経営し、加西市観光研究会委員長の田中俊宏さんから。
「観光はまちをアピールするのに非常に重要なものだと思っています。外部から多くの人に来ていただければ地域にお金も落ちますし、活性化にもつながります。そして何よりも『加西市』という一地方都市の名前を全国に知ってもらえることがうれしいですね。私自身は観光の仕事をしているわけではないので、加西の魅力を少しでも世に出したいと思って活躍する人たちのサポート役を担っています」と、地域で頑張る人たちの応援団を自負し、サポートに注力している。
大阪から兼業農家へ嫁いできた蓬莱眞子さんは、加西市に来て、家庭料理の「かしわめし」の存在を知る。“かしわ”とは鶏のことで、加西市の家庭がそれぞれ鶏を飼っていた時代に、祭りなどの行事があった際に鶏をつぶして「かしわめし」として振る舞われた。鶏肉にゴボウ、ニンジン、シメジ、油揚げなどを炊き込みごはんやまぜごはんにして食する。
「義理の母がボランティアで手づくりのかしわめしを振る舞っていて、食べてみると美味しくって。この味はなんとか私が引き継いでいかなければいけないと思い、現在、加西市の郷土料理として知っていただこうとJAなどで販売をしています」と蓬莱さん。
加西市では今でも伊勢講が残り、毎月伊勢講仲間が集まって伊勢神宮への奉納という意味も込めてかしわめしを振る舞っている。家庭ごとに微妙に味が違う“おうちごはん”でもある。「伊勢講といっても毎月誰かが伊勢参りには行けませんから、地元で食事会といったような風習として残っているようです」。加西市の郷土料理として広く認知されるまで頑張りたい、と蓬莱さんは意気込んでいる。
レストラン・カフェ事業などの飲食や美容、物販、婚活など多彩な事業を展開しているシャルムの社長を務めているのが深田美香さん。シャルムという名称は、かつて県内で11店舗あった洋服店で加西市民なら誰もが知っている存在だった。
そのシャルムを父親から引き継ぎ3代目として洋服店を一新し、2009年8月にバイキングレストラン「えぇもん王国」をオープン。
店では地産地消にこだわり、地元で採れる野菜をたくさん食べてもらえるメニューを提供。ショーケースに料理を並べるデリカッセンスタイルを採用している。加西市の野菜や米、卵を使った創作料理のランチも人気だそうだ。店内では地元農家を中心とした野菜や果実、米、生みたて卵の販売も行っている。
「この仕事を始めて農家の人たちと知り合い、地産地消へのこだわりが強くなりましたし、地元の野菜の美味しさに気づきました。これをなんとか世に広め、地元の魅力として伝えたいと思っています」と加西市への思いは熱い。修学旅行での利用や旅行会社からの立ち寄りもあり、旅行業との連携も視野に入れた取り組みも考えている。
蜜を搾ってから瓶詰めをする過程で、加熱や添加など人工的な加工を一切行わない、国産の生はちみつを製造する養蜂吉高を経営しているのが吉田高久さん。
「元々はサラリーマンだったのですが、還暦を過ぎてこのままの人生でいいのかと考えたとき、これまでとは違った生きがいを見つけようと選んだのが養蜂でした」。
自然と人間が共存できる社会実現の一助になればと始めた養蜂だが、加西市を盛り上げたいという思いから加西市の観光ガイドに応募。現在は加西市公認の鶉野観光ガイドとしても活躍している。
「ここ数年、鶉野飛行場跡が認知されるようになってきましたが、資料を掘り下げて調べていくと、まだわかっていないことがたくさんあります。加西市全体でも魅力ある資源が満載です。多くの人に会って、加西市の素晴らしさを少しでも伝えていきたいですね」と、加西観光の伝道者であることにこだわりを持った活動に余念がない。
兵庫県加西市 観光に関するお問い合わせ
加西市ふるさと創造部 文化・観光・スポーツ課
〒675-2395 兵庫県加西市北条町横尾1000
電話:0790-42-8756 FAX:0790-42-8745
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