世界の記憶「上野三碑」 高崎市の古代石碑を訪ねて
渡来文化の伝来示す
2017年10月、高崎市の3つの石碑、上野三碑(こうずけさんぴ)が、ユネスコの「世界の記憶」に登録された。世界の記憶は、古文書や書物、世界的に重要な記録の保存を目的にしたもので、「アンネの日記」やベートーベンの自筆楽譜などのほか、近代以降の世界的事変の際のラジオ放送なども登録されている。国内の登録は7例目で、上野三碑は日韓が共同で申請した朝鮮通信使に関する資料と同時に登録された。
三碑は高崎市内の山上碑(山名町)、多胡碑(吉井町)、金井沢碑(山名町)で、いずれも7世紀後半から8世紀初めの建立。日本国内の古代(7―11世紀)の石碑は18碑しかなく、三碑は近接して残っていることも価値が高く、国の特別史跡に指定されている。三碑の碑文からは、中国を起源とする政治制度、漢字文化、インドを起源とする仏教が上野国に多数の渡来人の移動とともに伝来し、地元の人々に受容され、広まっていったことが分かるという。
このうち最も古い山上碑は681年の建立。放光寺の僧の長利が亡き母への想いを碑文に記している。碑文からは漢字文化から日本語への和風化の過程を見ることができるなど、学術的な価値も高いとされる。
三碑は1メートル前後の大きさで保存のため、小屋がけされていて、外から覗き見ることができる。
高崎市教育委員会では、上野三碑をめぐる、無料巡回バス「上野三碑めぐりバス」を運行している。定員9人のジャンボタクシーで、上野三碑のデザインラッピングが施されている。上信電鉄吉井駅を起点に、多胡碑、山上碑、金井沢碑を45分間隔で運行する。途中、上信電鉄山名駅にも停車する。三碑周辺には大型バス対応の駐車場設備はない。
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