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“人”の力で多様な素材を活かす 高橋晴彦・加西市長に聞く(1) ストーリー確立し周遊促す

第3次加西市観光推進基本計画「学びと体験・平和を紡ぐまち加西」をキャッチフレーズに地域資源の磨き上げと掘り起こしに取り組んでいる加西市。高橋晴彦市長に加西市観光の現状をどう捉え、今後の施策や方向性について考えを聞いた。高橋市長は市民が主役の観光を提唱し、観光ストーリーの構築に力を注ぐ―。

循環型経済へ知られざるまちの魅力を発信

―加西市観光の現況を教えてください。

加西市には住吉神社と酒見寺の門前町として栄えた「北条の宿(しゅく)」の町並みが残り、県指定史跡の「北条の五百羅漢」があります。近年では教育旅行の来訪者が増加傾向の「鶉野飛行場跡」、「soraかさい」が注目されるようになってきました。

また加西市の来訪者数の20%を占める人気施設「兵庫県立フラワーセンター」など、観光資源にはたいへん恵まれていると思っています。しかしながら、すべてが徒歩圏内で移動できるスポットでないことが起因し、通過型観光地になっているのが現状です。

そういった意味で観光のストーリー性を確立させながら周遊していただく仕掛けづくりに努めているところです。その一環として旧日本海軍の訓練飛行場だった鶉野飛行場跡と平和を象徴する気球のストーリー性を活かした観光コンテンツを作り上げるべく取り組んでいます。

次にお伝えしたい課題は、市内での飲食、買い物、宿泊などで消費活動が十分に行われていない点です。こちらに関しては一般社団法人加西市観光協会をはじめ、民間事業者、経済団体、市民の皆さま方と連携し、観光客の満足度を高め、観光消費総額を拡大することで、加西市全体を循環型経済社会として将来にわたって発展させることを目指しています。

高橋晴彦・加西市長

高橋晴彦・加西市長

食に関しても加西市には名物料理が乏しいことが挙げられます。近隣でいえば「姫路のおでん」や「加古川のかつめし」などが全国的には有名です。そういった知名度の高いものが加西市にはありません。現在、加西市観光研究会を中心に「かしわめし」を名物料理にしようと頑張っていただいています。

かしわめし

「かしわめし」を名物に

プロモーションでも出遅れています。各種SNSを通してPRや新聞・雑誌などへの掲載を継続的に行っているものの、第3次加西市観光推進基本計画を策定する際に市民アンケートを実施しましたが、市民にさえ認知されていない観光資源が複数あることがわかりました。

市外部向けのプロモーションを実施しつつも市民向けのプロモーション、いわゆるインナープロモーションを強化し有効な媒体が何かをその都度、模索していく必要性があると感じています。

(次のページ)“人”の力で多様な素材を活かす 髙橋晴彦・加西市長に聞く(2) 人材の結集と育成を推進

兵庫県加西市 観光に関するお問い合わせ

加西市ふるさと創造部 文化・観光・スポーツ課
〒675-2395 兵庫県加西市北条町横尾1000
電話:0790-42-8756 FAX:0790-42-8745

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