八朔祭で盛り上がる 見ものは「大造り物」/山都
毎年9月第1土日に開催 一年通して町内に展示も
古くから豊かな自然のなかで農村文化を紡いできた山都町にとって、祭事は町民の矜持ともいえる存在だ。四季折々、その風土を伝える祭りが行われるが、一番の盛り上がりをみせるのが秋の「八朔(はっさく)祭」。江戸時代中期、宝暦年間に始まり、約260年にわたり連綿と受け継がれてきた豊作祈願と商売繁盛を願う祭りだ。町民の心意気を感じる秋の風物詩を見物しようと、例年町外からも多くの人が訪れる。
八朔祭は旧暦の8月1日、暦では「八朔」の日に行われ、現在では毎年9月の第1土日曜に開かれる。田の神様に感謝する祭事で、商家が農民を労い、もてなしたことが起源と伝わる。
祭の特徴かつ目玉は「大造り物(おおつくりもの)」。竹や杉、すすきなど自然素材を使った高さ3−5メートルもの巨大な造形物で、龍や麒麟といった伝説の生物から時代を表す風刺まで、毎年商店街の各連合組が腕を競い合うように作り上げる。ダイナミックながら自然への感謝を織り込んだ大造り物。舞台となる町内中心部の浜町商店街一帯を八朔囃子の音に乗って何基もが練り歩く様子は圧巻だ。
例年、パレードや踊り、太鼓の披露、ミニライブ、花火大会もあり、賑わう。日曜は町営中央グラウンドなど周辺に設けた駐車場と商店街を結ぶシャトルバスも運行される。
大造り物は、祭り期間以外にも見ることができる。「やまと文化の森」をはじめ同商店街一帯に設置されており、まち歩きがてら見て回れば、一年を通して山都の風土に触れることができる。自然素材でできているだけに、季節によって色合いが異なり、違う表情を見せることも魅力だ。
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