通潤橋、4年ぶりに放水再開 4月から豪快な水のアーチ/山都
山都観光のシンボルが復活 自然災害乗り越え
山都町観光のシンボルである石橋「通潤橋」といえば、橋から繰り出される「放水」。熊本地震に端を発した損傷で2016年4月から休止していたが、4月19日に4年ぶりに再開される。豪快な水のアーチを描く放水が“インスタ映え”全盛時代にようやく登場。この復活は、山都にとっても熊本県観光にとっても今春の大きなトピックになる。
通潤橋は、日本最大級の石造りの水路橋で国の重要文化財に指定。古くから石橋が点在する上益城・緑川流域エリアを代表する存在だ。1854年、水不足に悩む白糸台地に水を供給しようと、惣庄屋の布田保之助が尽力、肥後の石工たちの匠の技を駆使して、わずか1年半の工事で作り上げた人知の結晶。地域の田畑に潤いをもたらした。
長さは76メートル、高さは20・2メートル。実際に見てみれば、そのスケールの大きさとアーチの美しさに驚く。橋の上部には通水管が通され、今も水を供給している。全国の石造りのアーチ橋のなかで唯一放水が可能という大きな特徴も観光客をひきつけてきた。放水は本来、通水管に詰まった堆積物を取り除くために行われていたものが、その豪快さと美しさに観光素材として定着した。
しかし熊本地震で石管周りが損傷。復旧工事中には大雨の影響で石垣が崩れるなど苦難が続き、復旧まで4年を要した。放水も休止。ただ、被害を受けて橋の内部構造が明らかになるなど新たな発見もあったという。
放水という通潤橋の“売り”のひとつの復活に、観光の起爆剤にと地元の期待も大きい。再開後の観光用の放水は土日祝日を中心に従来通り1日1回で、13時からの15分間。9月第1土日曜の「八朔祭」期間は特別時間で行う。5月7日−7月20日は農繁期のため、12−3月は凍結防止のため休止するが、ゴールデンウイークや夏休みは多くの観光客の目を楽しませることになる。
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