九州の新たな魅力が詰まったまち・熊本山都
知ってほしい自然・伝統・食
この取材で一番感じたのは、山都町にはまだまだ知られていない自然・伝統・食があり、九州の新たな魅力が詰まった場所ということでした。
最初に目を引いたのは、稲刈りが終わった棚田の一部が黄金色に輝き、周囲の棚田の緑とのコントラストがとてもきれいだったことでした。田植えのころは棚田に水がはり、また違った景観が広がるのだろうと思わず想像しました。阿蘇五岳の見える壮大な風景、どこまでも続く渓谷など大自然に吸い込まれそうな絶景スポットもたくさんありました。
実は今回、雨続きの取材で、写真で見るような鮮やかな風景は眺められませんでした。しかし蘇陽峡で雲海を見た時は、天気の良くない日でも大自然が織り成す風景は想定外で、その時その時にしか楽しめない景色があることを実感しました。
江戸時代から受け継がれている清和文楽は、一時途切れたこともあったそうですが幾多の時代を乗り越えて現代まで残っていること、演じているのが現役農家の方というお話を聞き驚きました。
もう一つ江戸時代から伝わるものがありました。豊作祈願と商売繁盛を願うため毎年9月に行われる八朔祭です。「大造り物」は各連合組合が趣向を凝らし、すべて自然に自生しているものを材料に毎年つくっており、何基もの大造り物が引き回される姿は、圧巻だろうなと感じました。大造り物は祭りが終わっても見ることができて、近くで見るととても繊細で臨場感あふれる迫力があり、250年以上の歴史と熟練された技術が際立つものでした。
地元野菜をたくさん使った郷土料理や家庭料理も豊富にありました。景色同様、四季折々の旬な食材を使った料理が楽しめるのは、とてもぜいたくで魅力的です。野菜が多く生産されているのも山都町の特徴で、有機農業をするために移住される方も多く、これも魅力の一つではないでしょうか。
取材中、訪問する先々で山都町に暮らす若い方々のパワーも感じました。伝統文化や地域発展などに熱い想いを持ち、それぞれ取り組んでいる若い方々の姿が力強く、印象的でした。県外から移住される方も多く、山都町の豊かな自然に魅力があるのはもちろん、地元の方々が住みやすい環境を作り出し、温かく迎えていることで新たな町の発見・発展へ繋がっていることを感じることができました。
通潤橋が再び放水ができる日をきっかけに、ゆったりと温泉につかりながら、魅力が盛りだくさんの山都町を多くの方に歩いてもらい、素晴らしさを実感していただきたいと思います。
(九州観光旅館連絡会東京事務所・唐津遵子)
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