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紫式部が現代を照射する 大河ドラマ「光る君へ」

舞台は平安、「創造と想像の翼をはためかせた女性」の人生描く

「光る君へ」は、大河ドラマ63作目。近年は近世、近代の作品が続いたが、平安時代中期を描いた作品としては1976年の「風と雲と虹と」以来48年ぶり、史上2番目に古い時代の物語となり、紫式部を主人公として描く。脚本を大石静さんが担当するなど主演と脚本、制作統括、チーフ演出を初めてすべて女性のチームを組み、物語を構築する意欲作だ。

紫式部といえば、平安時代を代表する女流作家であり、後世の誰もが知る存在。世界最古の女性文学といわれ、現代でも読み継がれている名作「源氏物語」の作者としてつとに有名だ。ただ、1千年以上もの前の平安という時代背景から史料も少なく、その偉業以外は人となりなど多くを広くは知られてはいない紫式部をどう描くのか。

今回の作品では、紫式部を「創造と想像の翼をはためかせた女性」と表現。彼女がどう生きたか、その一代記を平安時代中期という特徴的な時代と絡めて描く。世紀のベストセラーに大きなスポットを当てるのではなく、作品を描いた彼女本人の人生に迫るのが根幹となる。平安時代中期という藤原氏が権力を誇り、権力闘争に明け暮れた混沌とした時代のなかで、情熱と想像力をもって源氏物語の主人公、光源氏のストーリーを紡いでいく紫式部。その背景には彼女のどんな物語があったのか。藤原道長との恋愛模様もあり、ラブストーリーに定評のある大石さんの脚本で愛憎たっぷりに物語を表現する。

紫式部を演じるのは、吉高由里子さん。紫式部の人物像について「彼女は彼女なりに力強く生きていますし、好奇心旺盛でひたむきな人だなと感じます」とコメント。躍動する平安時代の女性、男性の姿を生き生きと描く物語の中で、躍動する主人公の姿が現代に新風を吹かせる。

吉高由里子さん

紫式部を演じるのは吉高由里子さん

紫式部と藤原道長

まひろ(紫式部)の吉高由里子さんと、
のちの最高権力者・藤原道長を演じる柄本佑さん

語りは、NHKの伊東敏恵アナウンサー。音楽は連続テレビ小説「スカーレット」なども手掛けた冬野ユミさんが務める。平安時代特有の衣装など雅な映像表現にも注目が集まる。放送は1月7日に始まっており、早くも注目度の高まりを感じさせている。

「光る君へ」の放送に合わせて、紫式部・源氏物語ゆかりの滋賀県大津市、福井県越前市、京都府宇治市で「大河ドラマ館」が開設された。大河ドラマの舞台をめぐる旅はもはや定番だが、今年は「光る君へ」の世界、紫式部の人生に触れる“雅”な旅がトレンドになる。

光る君へ

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