「光る君へ」機に琵琶湖観光 おごと温泉拠点で滞在の魅力発信
NHK大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部ゆかりの大津市には、滋賀県を代表する温泉地として知られ、1200年の歴史を持つおごと温泉がある。大河ドラマ効果で、多数の観光客の宿泊拠点として期待がかかるなか、おごと温泉観光協会や石山観光協会の代表らに現状や今後の取り組みを聞いた。
周辺と連携深め女性誘致も
【出席者】 池見喜博(おごと温泉観光協会会長=暖灯館きくのや社長)▽宇津木裕子(同副会長=里湯昔話雄山荘副社長)▽金子憲之(同専務理事=おごと温泉緑水亭社長)▽金子博美(同理事=琵琶湖グランドホテル社長)▽佐藤祐子(同理事=びわ湖花街道社長)▽榎高雄(同理事=雄琴荘社長)▽寺島正和(石山観光協会副会長=洗心寮社長)▽仲野智之(杢兵衛造船所常務)=敬称略。
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―おごとの現状は。
池見 年間40万人の宿泊客がコロナ禍で半減したものの、京都市から近い温泉、設備投資における各施設の努力などによって、比較的早い段階で回復してきました。
金子博 ただ客層はすっかり変わりました。
金子憲 団体オンリーから個人対応もできる二刀流への変化です。
榎 県内観光施設の魅力度が上がり宿泊が増えている効果もあります。
宇津木 びわ湖テラスやラコリーナ、めんたいパーク、ブルーメの丘など家族で行ける場所が増えたことも大きいです。
金子憲 その結果、秋に集中していたお客様が夏場にもたくさんお越しになるというのも、これまでにない傾向です。
―「港のある温泉」をうたっているが。
池見 以前は、琵琶湖汽船と「びわ湖湖上お散歩クルーズ」を実施していました。残念ながら中断しましたが昨年、琵琶湖唯一の造船所である杢兵衛造船所のレークウエストヨットクラブが「琵琶湖浪漫クルーズ」として再開してくれました。
仲野 県を代表する観光地ですが琵琶湖を体感するコンテンツは不足しています。おごと温泉や古来より湖上交通の要衝として発展した堅田など歴史的価値があふれているエリアの魅力を伝えきれておらず始めました。
金子博 クルーズに加えて「クラフトビールフェスタ」を港一帯で実施していただき、従来にない賑わいとなりました。
榎 あの賑わいを見た時、港をもっと活用すべきだと思いました。
宇津木 「琵琶湖・港のある温泉・おごと」を実感した取り組みで、これからも外せません。
―石山寺や三井寺が脚光を浴びている。
寺島 石山寺の大河ドラマ館は、春の団体予約がすでに結構入っています。今回の大河は主演、脚本、制作統括、チーフ演出すべて女性によるチームで制作しています。偶然にも石山寺では53代目にして初めて、鷲尾龍華さんという女性の座主が誕生しました。
佐藤 従来にない女性主体のドラマに期待しています。古来、紫式部をはじめ女性が訪れた石山寺は、大河ドラマ放送をきっかけにして女性が癒され、パワーを得るお寺として多くの女性が訪れるようになってほしい。その後に、おごと温泉で和んでいただけるよう情報を出していきたいと思います。
寺島 石山寺や三井寺が紫式部に関連して結ばれますし、大津市歴史博物館でも「源氏物語と大津」をテーマに企画展が行われます。課題はあるかもしれませんが、おごと温泉と石山寺を船で結ぶことを一考してもいいと思います。
仲野 琵琶湖を使って滋賀観光の魅力をもっと発信することを企画していきたいですね。
金子博 個々の旅館の努力も必要ですが、こうした周辺の観光素材と一緒におごと温泉をアピールするのが大事ですね。
池見 クルーズ、ビールフェスタに注力し、おごと温泉の「顔」を構築していきたい。また周辺と連携しながら、地域活性化に尽力したいと思います。「光る君へ」をきっかけに今年1年、おごと温泉の将来の土台づくりに取り組みます。
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