観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

伊勢志摩観光の新時代 鳥羽市観光協会・寺田順三郎会長に聞く(2) DX化で利潤を生む業界に

地域特性で団体旅行、宴会会食は残る

―国や行政に望むことはありますか。

昨年の初動支援対策として、金融支援策のセーフティーネット融資や制度融資は寿命の先延ばしでしかありません。衰弱している観光業を守る意味からも、現行の金融制度をすぐにでも実効性のある金融制度にしてほしいと思います。

20年の一般企業の倒産件数は前年比66・7%の125件で、そのうちコロナ倒産は72件で全体の57・6%になります。旅館ホテルでみると117件で、前年の1・75倍になり、いかに多いかがわかります。この状況を踏まえワクチン接種の早期完了と並行し、Go Toトラベルなどの再実施をぜひお願いしたいと思います。最小行政区内でいいので、感染防止策の徹底と安全性を踏まえた誘致計画を実施していただきたい。

―観光客へアピールしたいことは。

制約もなく自由に観光していただきたいと思いますが、観光地でもっとも懸念されるのが感染者の発生と拡大による風評被害です。そうなれば地域の安全性が問われることになるので、観光施設や旅館ホテルでの感染防止策にはぜひご協力をいただき、旅の恥はかき捨てのような行動は控えてほしいと思います。

鳥羽

「ウイズコロナの旅」へ受け入れ準備が進む

―観光業界はどう変化すると思いますか。

宿泊業界ではこれまで経費削減を行い業務改善や労働効率アップが図られ、従来のお客様べったりの接遇からサラリとしたサービスの接遇に変化してきました。今後はDX(デジタルトランスフォーメーション=IT技術の浸透で人の生活をいい方向へ変革させる概念)を利用した業務改善と効率化を行えば、コロナ禍が落ちついた段階で多くの利潤を生むのではないかと考えています。

また感染防止意識が備わってきているので、お客様のエチケットやマナーも変化し黙食や小声での食事が定着するのではないでしょうか。しばらくは家族や気心が知れている仲間などでの会食や旅行が主流になると思いますが、その一方で抑制されてきた思いを発散させる旅行需要もあり、密にならないキャンプやグランピングなど多様な旅行形態が増えると考えられます。

ただ伊勢志摩地域の特性として、伊勢神宮参拝という主要カテゴリーがあるので、それをメーンとした団体旅行はなくならないでしょう。その点からすると、他地域と違って多少の縮小や食事会場の形式、部屋の入室人数は変わっても、宴会形式の会食も必然的に残ると思っています。

(前の記事)伊勢志摩観光の新時代 鳥羽市観光協会・寺田順三郎会長に聞く(1) 行政と連携し感染防止徹底

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