伊勢志摩観光の新時代 鳥羽市観光協会・寺田順三郎会長に聞く(1) 行政と連携し感染防止徹底
三重県・伊勢志摩エリアでは、観光客が安心して旅行を楽しめるよう、地域が一体となって新型コロナウイルス感染症対策「伊勢志摩スタンダード」に取り組んでいる。伊勢志摩エリアは現在まで新型コロナウイルス感染症の感染者の発生が少なく、今後も旅行者、地域が安心できる観光地づくりを継続していく考えだ。今特集では鳥羽を中心に伊勢志摩の現状を伝えることを主眼に、まずは鳥羽市観光協会の寺田順三郎会長にウイズコロナの旅に関して考えを聞かせてもらった。
地域観光のブランド化推進
―コロナ禍の現状を教えてください。
現状、行政との連携強化は不可欠です。その点、三重県も鳥羽市も当協会の意向を十分に取り入れていただいており、感謝しています。
協会としては短期的には感染防止を徹底した施策の実施です。感染が発覚すると企業はもちろん、地域の観光も大きなダメージを負うことになります。そのため、携帯用除菌スプレー「旅するスプレー」「マスクケース」を3万枚配布し、安心安全な旅を推進してきました。中長期的にはアフターコロナで到来する“観光爆発”に備えたいと考えています。
コロナ禍での倒産件数は飲食業や建設業に次いで旅館ホテルが多いわけですが、いかにこの状況を回避し存続していくかが直近の課題です。そのため県議会議員との意見交換会などを通して、県政や国政への働きかけを行っています。
―ウイズコロナの旅に向け、現在取り組んでいることは。
いま話したスプレーの利用推進とマスクケースの配布で感染防止対策を徹底したい。考えつく限りの3密防止への設備や器具の設置などを鳥羽市へ要望し補助金制度を実施していただきました。抗原検査など安全意識の構築と防止対策への補助金も充実しています。
鳥羽市内限定の商品券や宿泊補助券の販売を行っていますが、商品券は販売されているものの、宿泊補助券は緊急事態宣言の発令で延期されており1日も早く解除になる状況を期待しています。
観光協会としては地域観光のブランド化が重要と捉えており、現在、他業種と連携を行うことで個々の産品のブランド化を図り、地域全体のブランド化が複合的に確立できると考えています。観光協会はDMOに登録されているので、今後は鳥羽市からの受託事業の拡大とデジタルマーケテイングの構築を進め、地域観光にフィードバックして活かしていきたい。
Go Toトラベルが人流を増やしたことで、感染が拡大したように思われていますが、実際に報告されている感染者数は利用者と施設の合計数で800人弱です。8781万人泊の利用者数からすると、微小であるように思います。この数字は利用する側(宿泊者)と施設側(旅館ホテル)の感染防止意識が大いに貢献しているとの証明ではないでしょうか。
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