東海道の宿場町を歩こう 歴史風情が色濃い土山宿と水口宿
往時の思い馳せ 江戸期の文化に触れる
忍者はもちろん、歴史豊かな甲賀市。市北部を東西に縦断する国道1号は、江戸時代に幹線道路だった東海道と重なる。土山、水口は宿場町として栄え、今も風情ある町並みが残る。
土山宿は、江戸・日本橋から数えて49番目の宿場。東海道の難所だった鈴鹿峠を行き来する旅人を迎えた。
東海道伝馬館は、江戸後期に建てられた庄屋の屋敷を改装し、土山宿をはじめ街道文化を紹介している。京人形100体で大名行列を再現した展示などが見もの。当時の旅姿に扮した記念撮影、地元産のお茶を使った茶染め体験もできる。入館は無料、茶染め体験は700円から要予約。
土山家本陣跡は、三代将軍徳川家光が上洛した際に宿泊所として設けられた。明治天皇が宿泊した座敷や庭も現存。建物内部の見学は事前予約で受け入れる。
812年に創建されたと伝わる田村神社。日本史上で最初の征夷大将軍・坂上田村麻呂を祀る。本殿や拝殿の彫刻、境内が真紅に染まる紅葉が見応えたっぷり。
土山歴史民俗資料館では、斎王群行の展示などもあり、土山が古くから交通の要衝だったことを分かりやすく紹介している。
街道文化・土山の現代のシンボル的存在は道の駅あいの土山。特産品がそろい、土山茶を無料で飲めたり、抹茶ソフトを味わえる。
土山宿から西へ3里(12キロ)弱、水口宿がある。もとは豊臣秀吉によって築かれた水口岡山城の城下町だった。この城は東からの敵を守る要衝として築かれ、遺構などからも相当に大きな城であったらしい。関ヶ原合戦時に東軍に滅ぼされ、今は石垣が残る。2019年から「御城印」が頒布され、城マニアの人気を集めている。
水口宿には、もう一つ水口城跡も。この城は三代将軍家光の宿館として築かれ、のちに水口藩加藤家の居城となった。復元された角櫓は資料館になっており、水口藩に関する資料などを展示している。
水口宿の特徴は「三筋町」。3本の道が並行して走り、それぞれに町並みが形成されている。水口歴史民俗資料館は、そんな水口宿を中心とした資料が展示され、まちの歴史と文化がわかりやすい。甲賀市ひと・まち街道交流館も市の歴史や文化を紹介している。
余談だが、水口宿は司馬遼太郎原作の「竜馬がゆく」で竜馬が立ち寄った宿場町として描かれている。
毎年4月19—20日に行われる水口曳山まつりも見ものだ。豪華な曳山が繰り出し、水口ばやしで大いに盛り上がる。「街道一の人止場」と言われた往時がよみがえる賑わいをみせる。
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