苓北文化の結晶をいただく(1) 天草ちゃんぽんの「札所」
苓北町の食は、地域文化を色濃く反映した個性的なものが並ぶ。ちゃんぽんや菓子に感じる長崎文化、南蛮文化の影響。豊かな自然の恵みである魚介類や新鮮な野菜がこれを支えるという食文化は、古くから人々が積み重ねていた暮らしの結晶だ。
日本三大ちゃんぽんのひとつ 注目は「レタスちゃんぽん」
苓北の食文化にも長崎文化との関連が垣間見える。「ちゃんぽん」といえば長崎が有名だが、実は「日本三大ちゃんぽん」に長崎、小浜と並び称せられるのが「天草ちゃんぽん」だ。天草エリア内で天草ちゃんぽんを提供する食事処に設定された「札所」が、苓北町内には10軒。各店自慢のオリジナルのちゃんぽんを食べ比べる旅も、苓北観光の楽しみになる。
ちゃんぽんは、魚介類や野菜を使い、栄養素たっぷりの濃厚なスープが特徴。その中で天草ちゃんぽんは、天草で獲れる海の恵みをふんだんに使い、野菜、魚介のすり身をあわせて炒め、麺が見えなくなるほどてんこもりにしたボリュームが魅力だ。
苓北町内でも各店が競い合うように独自の味を追求。なかでも「御食事処いさりび」が提供する「レタスちゃんぽん」が変わり種だ。
レタスは苓北町が熊本県下で一番の産地という町の特産。約50年前、長崎県佐世保市に駐留する米軍の需要に対応するために栽培に乗り出したという歴史を持つ。
そのレタスを150グラム、野菜全体で350グラムという1日に必要な野菜摂取量がこの一杯で取れてしまうほど使うのが、レタスちゃんぽん。
しゃきしゃきの新鮮なレタスと甘み十分に炒められた野菜、魚介、そして麺とスープを一気に味わう。ボリューム十分ながらヘルシーという女性にもおすすめのメニューだ。
もともとレタス農家だったという女将さんが考案したという、まさにここだけの逸品。苓北の旨味をこの一杯でまるごと味わおう。
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