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今こそ行って隠岐たい 4つの島の絶景めぐる

括目せよ、世界ジオならでは「圧倒的な景観」

島根半島の北方40―80キロの日本海に浮かぶ隠岐は、180あまりの島々からなる群島。もっとも大きい島後(どうご、隠岐の島町)と、島前(どうぜん)の西ノ島(西ノ島町)、中ノ島(海士町)、知夫里島(知夫村)の4つが有人島。

ほぼ全域が大山隠岐国立公園に指定されているのと同時に、ユネスコ世界ジオパークに認定されている。ジオパークは「大地の公園」とも称され、地質的な希少性はもちろん、動植物の生態系、そこで暮らす人々の歴史や文化などが密接に関わり合う地域が認定されている。隠岐は2013年に認定され、今年1月には環境保全、観光ガイドの取り組みなどが評価され再認定された。

ジオパークを構成するジオサイトで目を奪われるのは「圧倒的な景観」。ミシュランガイドでも星が付加された世界が認めた景観だ。

西ノ島の「国賀海岸」はそれを代表する一つ。40階建てビルに相当する257メートルもの海食崖「摩天崖(まてんがい)」や、海にせり出した岩が海食作用でくり抜かれた「通天橋」など迫力ある海岸線が連続する。入り江を挟んだ赤尾展望所から国賀海岸が一望できるほか、遊覧船ではその迫力を間近に感じることができ奥行き250メートルの海食洞「明暗の岩屋」を通り抜けることも。摩天崖頂上と通天橋までは遊歩道が設けられ、放牧された牛や馬の牧歌的な風景と迫力の眺望をガイドトレッキングで楽しめる。

知夫里島では、最大約200メートルの高さの崖が約1キロに渡って続く「赤壁」。その名の通り真っ赤な岸壁で、夕刻時に遊覧船から見るとさらに赤く染まる姿に畏怖の念を抱く。島の最高所「赤ハゲ山(325メートル)」からは、隠岐諸島から島根半島や大山まで見渡せる。かつて噴火口だった島前カルデラ(島前の3島は外輪山の名残り)も一望でき、自然の壮大さを実感するジオサイトだ。

赤壁

迫力ある知夫里島の「赤壁」

中ノ島では「明屋海岸」。たらい岩と屏風岩は、女神が出産した道具の名残りという伝説が残る。屏風岩には、ハート型をした海食洞があり、女性客に“聖地”として人気がある。太郎、次郎、三郎の大中小3つの岩が並ぶ「三郎岩」も愛らしい姿で人気のスポット。海士町観光協会が実施するツアーで中ノ島を楽しみたい。

島後では、高さ20メートルの細長い岩「ローソク島」を外せない。夕陽と重なるその姿は巨大なローソクに火を灯したよう。福浦岸壁または赤崎岸壁から出航する遊覧船に乗ることでローソクが灯る瞬間に立ち会うことができる。外海に面しており、波の状態と天候などの条件がマッチした時にのみ見られる奇跡の景観だ。「岩倉の乳房杉(ちちすぎ)」は樹齢800年、樹高約30メートルの巨樹で、主幹が15本に分岐しているさまが文字通り乳房を想起させる。高さ40メートルの絶壁から流れ落ちる「壇鏡の滝」、全長26メートルもの巨大なトカゲに見える日本三大奇岩のひとつ「トカゲ岩」なども見どころ。これらはジオパークツアーデスクのガイドとともに探訪したい。

ローソク島

島後の「ローソク島」で
自然が織りなす奇跡の瞬間に出会う

歴史や文化については、後鳥羽上皇をお慰めするために行われたと言われる「牛突き」、神木にカズラを巻き付ける「布施の山祭り」、2年に一度行われる一宮神社例大祭の知夫村歌舞伎など各地に伝わる祭事にその一端を垣間見ることができる。

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