ウェルネスツーリズムのメッカへ 島根県、「美肌」×「ご縁」前面に
神々の集いし地のプロモーション 地元巻き込み癒しと健康を観光化
島根県といえば、出雲大社を擁する神々の集いし地であり、その「ご縁」を求める旅が古くからの定番だ。昨今では「ご縁の国しまね」を標ぼうし、さらに美肌を保ちやすい条件がそろう「美肌県」としての存在感も確立。「ご縁」×「美肌」という島根ならではの旅を演出し、誘客活動を展開している。この旅を通して地域に触れ、心身ともに健康を求めるウェルネスツーリズムのメッカへとまい進する島根県の歩みはとどまるところを知らない。
「ご縁の国しまね」は2013年の出雲大社「平成の大遷宮」を機に登場したプロモーションコンセプト。神気に満ちた新しい本殿を参拝すると「新しく生まれ変わる力」「新しいご縁」を授かるといわれ、「ご縁」を結ぶ旅の機運が高まった。県内各地でも「ご縁」にまつわるスポットが点在。出雲大社はもちろん神々が上陸するとされる稲佐の浜といった神にまつわる地のほか、鏡の池占いが女性の人気を集める八重垣神社や美人の湯として知られる玉造神社など女性の心をくすぐる縁結びスポットも多く、女子旅の人気も高まった。
そして「美肌県しまね」。化粧品メーカー・ポーラが調査し全国ランキングを発表する「美肌県グランプリ」で複数回1位を獲得したことから、県はこれも大きな魅力と捉えプロモーションを始めた。
同グランプリは1年間集めた女性の肌に関する分析結果を県別に集計。肌のうるおいやシミのできにくさなど6項目の値から偏差値を算出し、総合順位を決定している。島根県は項目別で「角層細胞が整っている」で1位となったほか、「肌がうるおっている」「シミ・シワができにくい」が上位になるなど各項目が高水準となり、美肌を保ちやすい環境など条件がそろっていることが総合1位の要因とされる。
そして、県内約60カ所の温泉、豊かな自然と新鮮な食材といった健康的な魅力を組み合わせ、疲れを癒す旅、心身ともにキレイにする旅というコンセプトで観光素材化。「ご縁も、美肌も、しまねから。」と銘打った島根県観光のウェルネスツーリズムのプロモーションは県内の観光事業者らを巻き込み、活動を本格化させている。
補助制度「美肌県しまね推進事業」を設定し、美肌がテーマの商品を事業者が開発。事業者参加のワークショップも実施し、素材の掘り起こしや宿泊プランへの体験の設定などを目指し、横のつながりを促進させることで地域内でウェルネスツーリズムのデスティネーションとしての存在感を高める土台が整いつつある。
2023年度からは島根のウェルネスツーリズムの情報を発信する「SHIMANE WELLNESS TRIP」という活動もスタート。「自然の恵みとご縁に出会う癒しの旅」をコンセプトに、呼吸する・知る・触れる・潤す・味わう・愉しむという6つのポイントで島根の旅のウェルネスツーリズムの魅力を発信している。
島根の魅力は幅広く、松江、出雲大社、玉造温泉といった観光中心部のほかにも宍道湖や安来、出雲、そして隠岐と風土も歴史も自然も多角度から癒し・健康を連想させる地が並ぶ。各地で地域のストーリーを体感できる物語性ある体験が造成され、宿泊プランやツアーも登場。ご縁・美肌・ウェルネスという島根の風土を観光素材という形で具現化させる取り組みは、県をまるごと観光地化させる好例といってもいいかもしれない。
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