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下呂温泉観光協会・瀧会長に聞く データ駆使し持続可能な観光(1) 団体の9割は中小旅行会社

マーケティング・マネジメント戦略に則りエコツーリズムとDMOによるE―DMO事業を進める下呂温泉観光協会の瀧康洋会長(水明館)に話を聞いた。

個人客の幅広い層へ向けて告知宣伝の成果

―この1年、宿泊客の動きはどのように変化していますか。

昨年度の宿泊客数は96万3258人で前年比3・4%増。そのうち国内個人客数は76万9198人で9・2%減になってはいますが、平均宿泊単価は4%、宿泊総消費額も7%、それぞれ増えています。海外個人客数は8万1810人で437・9%も増え、国内団体客数も7万3970人ですが前年比だと46%も増えています。

交通手段では鉄道が24万3519人で37・4%増えています。鉄道利用が20万人台になったのは8年ぶりで、鉄道利用の伸びには驚きました。要因は22年7月に特急「飛騨」が新型車両になったのとインバウンドの乗客が増えたからだと思います。観光バスは依然苦戦を強いられていて8万1185人で、コロナ前に対して45・8%減となり、自家用車も57万7940人の10%減でした。

観光バスには助成金を出しており、申請している旅行会社の一般団体客は中小旅行会社が32件でシェアは86%を占め、中小旅行会社からの送客には期待しています。バス1台規模のお客様数ですが、地道に送客していただいている結果が形に出ているのだと思います。数字を増やしていくには地道に積み上げていくしかありません。大手旅行会社は5件しかなく14%のシェアです。

下呂温泉ではしっかりとデータをとってマーケティング・マネジメントを行っており、都市圏中心にはなっていますが、地道にチラシを配布したり、中小旅行会社へのセールス活動を行い、ウェブ広告も行っています。

あるイベントでデータを取りましたら18―24歳、25―34歳、35―44歳、45―54歳、55―64歳、65歳以上の比率が10%から23%で年齢層に関係なく、まんべんなくお越しいただいていることがわかりました。この傾向は他の温泉地ではあまりなく、観光協会が個人客の幅広い層へ向けて告知宣伝を行っている成果だと思っています。

下呂温泉観光協会の瀧康洋会長

「市民の理解と協力がなければ
成り立たないのが観光」と話す瀧会長

―今年度の取り組みについて教えてください。

これまでは下呂、小坂、金山、馬瀬、萩原、竹原といった6エリアの歴史の中で培ってきたものを地域の宝として捉え、エコツーリズムなどの形で観光資源化してきました。今年度は6エリアにこだわることなく、もう少し大きな枠組みでいきたいと思っています。標高3067㍍の霊峰御嶽山6合目にある濁河温泉地域を目指す「飛騨小坂御嶽ウルトラマラソン」を行います。10数年ぶりの開催です。最大標高差1千㍍以上で、全行程約百㌔に及ぶもので、国内で開催されるのは珍しいと言われています。

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