E−DMOが下呂の基盤 下呂温泉観光協会・瀧康洋会長に聞く(2) 「観光は水の如し」の対応で
全国に先駆けた地域づくりを
−これからの下呂市の観光に対するお考えをお聞かせください。
観光の形はマーケットによりますが、戦略は環境によって変化しますから、マーケットに合わせてどんな形でも変化しなければなりません。決まりきった手法では顧客を獲得することはできません。
我々を取りまく環境の変化は、我々の都合に合わせてはくれません。変化は我々の都合を置いていきます。マーケットは小さくなっても、我々はお客様を開拓するといった意気込み、いってみれば「観光は水の如し」の対応が必要だと思います。今回のような予期しないコロナ禍に遭遇しても、我々は変化し、お客様を獲得しなければならないということを実感しています。
また経営発達支援計画も重視しています。この事業により市内事業者の経営力を底上げし「継続的な経営」が行えるよう支援していくということが大事です。
全国には420万社の会社があるそうですが、経営計画を作成している事業者はわずか0・1%だそうです。マネジメント力をつける第一歩は経営計画を作成することです。下呂市内の事業者がこの事業に積極的に参加することが各企業を成長させることになり、下呂市内の発展につながります。この視点があってこその我々の取り組みであり、地域活性化につながるものと思っています。
この数年を振りかえると、20年9月に持続可能な観光地づくりが認められてSDGs事業の認証や21年3月から観光総合アプリ「下呂温泉郷公式アプリ」の運用開始、第16回エコツーリズム大賞受賞、9月には観光客誘致と住民サービスの向上を図る「下呂未来創造プロジェクト」によるDX化、10月にはCO2削減の宿泊プランの造成、22年4月には下呂温泉のまち歩きの拠点として「下呂温泉交流センター」の開設と同時に24時間利用可能で動向調査を行える電動アシスト自転車のレンタルの開始といったように、コロナ禍でありながら新しいことを盛り込んだ事業を行ってきました。
これからも常に最先端の情報を取り入れ、常に全国に先駆けた地域づくりを進めていきたいと思います。
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