新時代の観光都市・下呂を構築 SDGsやDX、エコに素早く対応
社会の要請に応え観光サービスに生かす
SDGs、デジタルトランスフォーメーション(DX)、エコ−。新しい時代へ向け、急速に変わりつつある社会に対し、下呂市の対応は俊敏だ。これらキーワードに対し、即座に対応、本腰を入れた取り組みを展開。時代に即応することで新時代の観光都市・下呂の構築へ向け、着実に前進を続けている。
事業の主体を担うのが下呂温泉観光協会(瀧康洋会長=水明館)。観光関係者はもちろん下呂市も積極的に参画し、インフラ提供企業などとも連携しながら官民一体で取り組みを進める。
SDGsについては2020年9月、日本SDGs協会から事業認定を受けた。市の自然・文化資源を保全・活用した持続性のある観光地づくりや宿泊滞在型エコツーリズムの確立など進めてきた活動が持続可能な取り組みと認められたものだ。
また、21年9月には観光客誘致と住民サービスの向上に向け、市内でDX化を進める「下呂未来創造プロジェクト」をスタート。中部電力ミライズ、NTTドコモと連携協定を結び、取り組みを本格稼働させた。市は下呂温泉街に5G基地局を整備。高画質のオンライン配信が可能になり、下呂市ではワーケーションの誘致を強化したほか、宿泊統計のデジタル化や位置情報を利用した観光コンテンツの提供、キャッシュレス決済など利便性の高い観光サービスにつなげる。
脱炭素化社会の実現に向けたCO2削減も社会の強い要請。下呂温泉では21年秋、「ecoチャレンジ下呂温泉」と題し、CO2削減の宿泊プラン造成を本格化させた。CO2削減費用を料金に組み込み、中部電力ミライズが太陽光発電など再生可能エネルギーによる「CO2フリー電気」を旅館ホテルに供給。宿泊客にはさまざまな特典を付与し、観光地と宿泊客双方にメリットがある仕組みを導入した。地球環境に配慮した温泉地のイメージ醸成と脱炭素社会構築の一員としてのアピールにつなげたい考えだ。
下呂温泉観光協会の瀧康洋会長は「観光協会はSDGsの認定を受け、下呂市の魅力を伝えるために持続可能な地域を目指し、様々な事業に取り組んできました。特に経済的側面における宿泊滞在型エコツーリズムの確立を目指す中でCO2削減は切り離せず、取り組むべき優先課題。旅行者と旅館で新たな『エコチャレンジ』に取り組んでいきたい」。
今年4月には下呂温泉に下呂市観光交流センター「湯めぐり館」がオープン。下呂温泉をはじめ市内5地域や周辺の観光情報を発信する観光案内コーナーのほか、下呂温泉街のまち歩きの拠点として位置づけている。環境に配慮した建物で、館内の電気はCO2フリー電気を使用。5Gを使った観光情報の発信など環境と先進技術を活用した施設にしていく考えだ。スマホアプリ「コギコギ」を活用したスマートロック式電動レンタサイクル10台も導入。ソフト・ハード両面で新時代の下呂観光の下地がいよいよ整備されてきた。
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