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伝統の“エンタメ”石見神楽(1) 石見各地で定期公演、出張上演も

島根県西部、石見地方に伝わる伝統芸能「石見神楽」。絢爛豪華な衣装や派手な演舞の迫力で多くの人を石見の風土の世界にひき込む。現代でも益田市や江津市、浜田市、津和野町などで上演団体が活躍、観光客向けの定期公演も充実する。石見へは都市圏からの航空便が就航し、大阪からの夏の直行便を使えば約1時間でアクセス。石見の地域文化の神髄に触れる旅はすぐそこだ。

神話が根付く地の風土伝える

石見神楽は、神話が根付く地として演目は日本神話が主な題材。神を迎える「儀式舞」や、古事記や日本書紀を原点とする「能舞」など約30種類の演目を、現在約130団体が歴史を受け継ぎ上演している。

全国でも神楽が舞われる地域はあるが、石見神楽はリズムの軽快さと、衣装が絢爛豪華であることから、他に類をみない独特の神楽だといわれる。代表演目である「大蛇(おろち)」と「恵比須」を見ても、カラフルなオロチの口から炎が出るなど大迫力を持つ大蛇と、コミカルな演技で観客をひきつける恵比須と、豊かな表現力とパフォーマンスで神話をわかりやすく伝えてくれる。

石見神楽

代表演目である「大蛇」は
スサノオノミコトとオロチの戦いを
大迫力で表現する

ストーリーは勧善懲悪など物語に入り込みやすいものが多く、観光客にとってはありがたい。特別な知識がなくてもすぐに入っていけるエンターテインメント性を備えているからこそ老若男女、地元、観光客を問わず万人に支持されているのだ。

石見神楽は伝統を受け継ぐと同時に、近年は各地で定期公演が行われ、観光客にも地域の文化としてアピール。石見地方ではほぼ1年を通してどこかで必ず公演されている。今年度、ツアーの立ち寄りに適した定期公演は、次の通り。

大田市の温泉津温泉・龍御前神社では通年の毎週土曜の20―21時に実施。料金は1千円から。5―11月の連休時には大森町並み交流センターでも500円で楽しめる公演を開く。

江津市では有福温泉・湯の町神楽殿で隔週土曜に、神楽の里舞乃市とパレットごうつでは毎月第3日曜に開催する。

浜田市では三宮神社で毎週土曜、アクアスはっしー広場で毎週日曜・祝日を中心に上演。三宮神社は20―21時で料金は500円。はっしー広場は13―15時、道の駅ゆうひパーク浜田でも毎月第2日曜の13―15時で、いずれも観覧無料。

益田市では益田駅前ビルEAGA大ホールで9―12月を除く毎週土曜日に開催。19時30分―21時。期間中は神楽との記念撮影やグッズの抽選会、衣装試着体験など神楽を身近に感じる機会も設けている。

石見神楽

古事記や日本書紀が原点の演目が多い
(写真は塵輪)

ほかにも各市町で神楽の競演大会を開催。9―11月の秋季には地域の例祭の前夜祭として奉納神楽も催されるので、要チェックだ。

また石見地方の宿泊施設への出張上演も実施している。15人以上の団体宿泊客の宴会場で1―2演目を披露する。料金は通常は5万円以上するところを特別価格として2万円に。対応する宿泊施設は約60軒。

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