「べらぼう」江戸の旅(2) 蔦重ゆかりの地をめぐる―東京・台東区
吉原界わいを行く
「べらぼう」は、現代の東京都台東区がメーンのゆかりの地。大河の世界観に浸るにはゆかりの地を訪ねる旅が定番だ。
物語前半の主要舞台である蔦重生誕の地、新吉原は現在の台東区千束にあった。吉原会館にはドラマ放送にあわせて「江戸新吉原耕書堂」が1月18日にオープン。蔦重が開いた書店の名を冠し、吉原の観光案内や土産の販売を行う。ドラマの語りを務める九郎助稲荷を祀るのが吉原神社。明治時代に合祀され誕生し、関東大震災後に今の地に移転した。吉原観光の起点だ。蔦重が青年時に営んだ貸本屋は遊郭の入口、五十間通りの南西にあった。山谷堀から吉原へと続く道で、遊郭が外から見えないよう蛇行している。通りを抜けると「吉原大門」跡があり、遊郭から帰る客が後ろ髪をひかれるように振り返ったという見返り柳もその歴史を伝えている。
その後、蔦重が版元として活躍した耕書堂を拠点として通油町へ。現在の中央区日本橋大伝馬町付近で、今は「耕書堂跡」という看板がたつ。ここで挿絵を描いた葛飾北斎を知るには墨田区のすみだ北斎美術館を訪ねるのがおすすめだ。
そして人生を終えた蔦重は台東区の正法寺に眠る。狂歌師の石川雅望の墓の隣に墓はある。
台東区では「べらぼう 江戸たいとう 大河ドラマ館」からゆかりの地をめぐる循環バスも運行する予定だ。
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