まんなかの秘境を歩く “四国の旬”を訪ねて後編(2) 地域と列車のもてなし「四国まんなか千年ものがたり」
旅の魅力は変わらない
帰路は、観光列車「四国まんなか千年ものがたり」。大歩危−多度津(香川県)という文字通り四国の“まんなか”を走る。先頭車両が赤色の上り列車「しあわせの郷紀行」に乗車した。
車内からは大歩危峡、傾斜地にへばりつくようにたたずむ集落などの景観を望みながら列車は進む。地元の日本料理「味匠藤本」の料理長が監修した地元食材たっぷりの食事メニュー「おとなの遊山箱」を味わいながら目と舌で地域を感じられる列車だ。
途中、複数駅で列車は停車。アテンダントによる写真撮影サービスや地元住民による歓迎のもてなしが温かい。阿波川口駅では地元伝承の狸伝説のたぬきに扮した住民たちが賑やかに舞い、秘境駅として名高い坪尻駅にも停車。琴平駅では学校帰りの子どもたちも駆けつけ手を振ってくれた。乗車していたシニアの夫婦は「静かな列車旅をと思っていたが、こういうもてなしもいいね」。

アテンダントが写真撮影
コロナ禍で旅のスタイルも大きく変わりつつある。それでも大自然に心を癒し、人との交流に心を温める。旅の楽しさの根幹はやっぱり変わらないと再認識させてくれた四国の旅だった。
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