奈良県桜井市・長谷寺を着物で拝す(1) 国宝本堂はじめ文化財の宝庫
奈良県桜井市の名刹・長谷寺。桜、あじさい、紅葉、牡丹など四季折々の花を楽しめることから「花の御寺」として知られる。国宝の本堂をはじめ、室町時代に造立された本尊・十一面観世音菩薩立像など貴重な文化財の宝庫でもある。風情ある参道は料理屋や旅館、土産物店が軒を連ねる。和文化が凝縮した長谷寺一帯で、3月28日には着物で参拝、散策するイベントツアーも行われる。
和文化が凝縮した「花の御寺」
長谷寺の本堂は、小初瀬山中腹の断崖絶壁に懸造り(舞台造)されている。その舞台からは、境内や山々を一望できる。本尊の十一面観世音菩薩立像は約10メートルの像高があり、日本で最も大きな木造の仏像で、室町時代に造立されたもの。
本堂にはほかにも雨宝童子立像、難陀龍王立像など数多くの寺宝が祀られている。また、江戸初期に長谷寺造営に深く関わった徳川将軍家ゆかりのものも。初代徳川家康から14代家茂までの位牌が安置されており、将軍家14代が一堂にまとまって残っているのは珍しく、貴重なものとされている。
総檜造りの本坊は奈良県指定有形文化財に登録され、登廊(のぼりろう)や総門(仁王門)は国指定の重要文化財。歴史的価値が高い建造物も多く見どころだ。
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