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唐臼の音が山里に響く 一子相伝の「小鹿田焼」を訪ねて

癒しに満ちた美しい世界へ

日田市北部の山間、源栄町皿山地区では、江戸時代から続く伝統の「小鹿田(おんた)焼」が受け継がれている。一子相伝で守り続けられてきた逸品は歴史に裏付けされた技術とぬくもりを兼ね備えたここだけのもの。自然豊かな里山で生きてきた焼き物の郷は、癒しに満ちた美しい世界だ。

「小鹿田焼の里」は江戸時代中期、1705年に開窯。今も9軒の窯元が窯を守り続けている。谷川の水を使い、山の土を唐臼で砕き、薪による登り窯で焼くという伝統の技法は全工程手仕事。こういった集落は世界的にも珍しいという。

小鹿田焼

谷川の水の力で土を砕き陶土をつくる

静けさに満ちた里の中では唐臼の音が響き、環境省の「残したい日本の音風景百選」に選定。一歩足を踏み入れれば、自然と心が穏やかになる。小鹿田焼としては国重要無形文化財に指定、地区全体では重要文化的景観に選定されている。

小鹿田焼

小鹿田焼

すべての工程が手仕事で行われる小鹿田焼は
国の重要無形文化財に指定されている

こうして焼き上げられた焼き物の作風は素朴であたたかみ、優しい美しさを持ち、日用的な什器として重用されている。

小鹿田焼陶芸館では作品の展示を通して小鹿田焼の歴史や特徴を解説。「小鹿田焼の里」についても紹介している。例年、10月第2土日曜の「民陶祭」が開催され、小鹿田焼に身近に触れられる機会も用意されている。

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