観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

魅力ある高知南西部 冬こそ訪れたい絶景とグルメ

NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」の舞台として注目を集めた高知県が主催したメディア向け「大人の土佐満喫ツアー」が11月に実施された。今回、足摺岬や四万十川の川下り、冬の味覚である土佐の清水さばやうつぼ料理など、高知県南西部にある冬から初春向けの観光スポットを訪れた。

四国最南端の岬「足摺岬」は、断崖絶壁と太平洋の絶景が広がる。ハート型に見えると話題の「白山洞門」は、石段の上り下りがやや大変ではあるものの、自然の壮大な景観に加えてパワースポットとしても人気がある。近くの「万次郎足湯」で、のんびり湯に浸かりながら景色を眺めて疲れを癒すのもおすすめだ。高知の名産品でもある太陽と風の力だけで作られる完全天日塩作りを「土佐の塩丸」で知られるソルティーブ灘製塩所で太平洋の雄大な景色を眺めながら体験できる。

2020年にリニューアルオープンした「足摺海洋館 SATOUMI」は3カ月で10万人以上訪れたという人気の水族館。足摺の海を再現した迫力ある「竜串湾大水槽」をはじめ、高知で主に生息する深海魚やサンゴを含む約350種1万5千点の生き物を展示し、18年に新種と確認された貴重なトサシミズサンショウウオや、ユーラシアカワウソのエサやりなども見られる。

足摺海洋館SATOUMI

足摺海洋館SATOUMIの展望デッキ
から竜串湾を一望

日本最後の清流と呼び声高い四万十川では、屋形舟「さこや」で川の流れをゆっくり感じながら自然を満喫でき、沈下橋を下からくぐるのもおもしろい。太平洋を一望する高台にあるリゾートホテル「アシズリテルメ」には、あしずり温泉郷の天然温泉とサウナがあるほか、海の絶景に加え、周囲に街灯が少ないため夜の星空も美しい。日帰り温泉の利用もできる。

四万十川の屋形船

四万十川の屋形船の船内

さらに、自然の恵みが実感できるグルメも多い。ゴマサバ「土佐の清水さば」は、立縄漁で1匹ずつ釣り上げて生きたまま港に運ばれたものだけに付けられるブランド魚、刺身やタタキで味わうとモチモチとした歯ごたえは地元ほど鮮度が高く、トロサバとも呼ばれる。「うつぼ料理」も高知の冬を代表する海鮮珍味で、タタキで締まった白身とコリコリ食感、また煮こごりや唐揚げなどで食べても美味しい。

清水さば

土佐清水市のブランド魚「清水さば」
(画像は道の駅めじかの里)

須崎市の「鍋焼きラーメン」は、土鍋に定番のうどんでなくラーメンという珍しさもあり、地元店には行列ができて県外から訪れる人も多い。そして、高知は酒文化が昔から盛んで、芳醇辛口で知られる人気銘柄「酔鯨」の酔鯨酒造(土佐蔵)では、最新醸造設備が導入された酒蔵の見学のほか、純米大吟醸などの各種試飲ができるカフェやショップもある。

これらのエリアを巡るには車もしくはツアー参加での観光バスが主となる。その道中、道の駅めじかの里(土佐清水市)の削りたて宗田節と宗田節パウダーをトッピングしたソフトをはじめ、道の駅あぐり窪川(四万十町)の地元ブランド「米豚」を使う豚まん、手作りの「かりんとまんじゅう」が人気の道の駅ビオスおおがたなど、魅力的な「道の駅」が多い。

高知市や高知県東部は、高知空港や高知駅などからアクセスしやすく、訪れる旅行客がインバウンドも含めて多い一方、中西部にはまだ知られざるスポットやグルメなどが豊富にある。気候が温暖な高知は冬も魅力的な国内旅行先で、冬ならではのグルメもあり、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。(本紙特約記者・シカマアキ)

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