古き良き暮らしが連綿と息づく 徳島・にし阿波(2) インバウンドで賑わう
列車で愉しむ非日常
吉野川上流の景勝地である大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)。大歩危峡まんなか観光遊覧船は、両岸から急峻な斜面と美しい岩壁が迫るV字谷を豪快に下る。インバウンドの大型観光バスが連なる人気ぶりだ。
大歩危には多くの妖怪伝説があり、コナキジジイの故郷とも言われている。ひょうきんな妖怪屋敷を見学して、四国ものがたり観光列車の「四国まんなか千年ものがたり」に乗り込む。
四国の3大観光列車は制覇済みだが、何度乗っても心躍るゴージャス感。朝一で雲海を見て、夜は宿で飽きるほど星を眺めた。祖谷の自然にどっぷりと浸ったあとの「四国まんなか千年ものがたり」乗車は、なるほど、そういうネーミングなのだと納得できる。四国山地の渓谷美を車窓に見ながら和情緒あふれる車内インテリアを楽しみ、日本料理“おとなの遊山箱”三段弁当をいただく。美味い!
琴平駅で下車し、ラウンジでJR四国の「ものがたり列車推進室長」松岡哲也さん(55)からデザインコンセプトの説明を伺う。「地元出身の社員ですから、肌感覚を大事にして地元の想いをデザインしました。ものがたり三兄弟シリーズ(伊予灘ものがたり、四国まんなか千年ものがたり、志国土佐時代=トキ=の夜明けのものがたり)は、沿線の地元の人たちが自発的に手を振ったりしてくれ地元に愛される列車として、非日常を愉しんでいただきただきたい」。
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