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個性豊かな日田の温泉(1) 日田温泉・鵜飼と屋形船上の食事を楽しむ

天領の優雅な遊び 各宿が屋形船を保有

日田温泉の温泉地としての個性は「天領」「水郷」という地域が育んできた歴史と風土を体現していること。各旅館は屋形船を有し、川にその船を浮かべ、鵜飼を楽しむ。天領としての歴史を起源に持つからこその優雅な遊びが日田温泉の過ごし方。天領、そして水郷の情緒を体感する時間を過ごしたい。

日田は江戸時代、幕府の直轄地「天領」として栄えた。その栄華を支えたのは、物流の動脈としての三隈川だ。日田の町中を流れるこの川は、九州最大の河川・筑後川の上流に当たり、日田のまちが「水郷」と呼ばれる由縁。今も豊潤な風情を醸し出している。

そんな日田温泉の情緒が味わえるのが屋形船体験。各旅館が屋形船を保有し、船上で宿の料理を味わうというぜいたくな時間は天領の歴史に触れられる貴重な体験だ。日田の屋形船は200年の伝統を持ち、天領ならではの優雅な遊びとして江戸時代に最盛期を迎えた。今でも屋形船文化が盛んな岐阜・長良川と並び称されるほどの規模を誇り、日田温泉の名物となっている。

夜になると屋形船が一斉に川面に浮かぶ光景が広がり、その眺めは船上から見ても川岸から見ても壮観だ。夏は涼を求めて、秋は月見、11―4月の冬季は障子張りでこたつに入っての雪見船と、四季折々、季節の風流を川面から体感できる。

屋形船を持つ旅館では船上で宿の料理を持ち込み、夕食として楽しめるプランを設定。三隈川の情景に包まれながら、地元の食材を使った会席料理とお酒を味わえる。団体旅行の定番として古くから愛されている、日田温泉宿泊の楽しみだ。

日田温泉屋形船

屋形船での夕食は日田温泉ならではの楽しみ

屋形船の利用料は15人乗りが2万8600円、20人乗りが4万2900円、30人乗りが5万7200円が目安で、各旅館と要相談。食事の料金は別途必要。屋形船を取り扱っている旅館は亀山亭ホテル▽よろづや▽みくまホテル▽KIAZAN倶楽部。caffelひなのさとではクルーズ船も。予約は各旅館まで。

屋形船と切っても切れないのが鵜飼。5月20日―10月下旬、屋形船の間を縫うように躍動する鵜たちの姿を船上から楽しむ体験もまた日田温泉の名物。三隈川での鵜飼は日田を治めた豊臣秀吉の家臣が始めたものとされ、その歴史は約400年に及ぶ。現在は大分県重要無形文化財に指定、日田の夏の風物詩として親しまれている。

鵜匠の熟練の技で川魚をとる海鵜の姿は必見。船にはかがり火がたかれ、灯りに浮かび上がる光景は日田の伝統と風流を感じさせる。

三隈川の鵜飼

三隈川の鵜飼

日田温泉は三隈川のほとりに旅館ホテルが建ち並ぶ温泉地。屋形船や鵜飼いに加え、天領を思わせる歴史風情が漂う温泉街散策もおすすめだ。泉質は単純泉。古くから子宝に恵まれる温泉として親しまれ、リウマチや神経痛、疲労回復などの効用があるとされている。

大分県日田市 旅のおすすめサイト

日田市観光協会「水が磨く郷」【大分県】

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