火ぶり漁と合掌村貸切 下呂温泉観光協会、プレミアム体験始める
富裕層インバウンド向けの体験コンテンツを造成
下呂市観光協会は、富裕層インバウンド向けの体験コンテンツの造成に取り組んでいる。下呂温泉合掌村でのライトアップや伝統漁法の特別観覧、伝統芸能体験など貴重な体験をツアー化。下呂ならではのプレミアムな企画を用意して富裕層の利用を呼びかける。
下呂市ではこれまで、インバウンドの誘客に向けた事業を展開。2023年度の「観光再始動事業」でのナイトタイムエコノミーを意識したコンテンツ造成など低価格帯の商品では一定の成果を残したが、富裕層向けには販売数が少数にとどまるなど成功とは言えない結果にとどまったこともあり、富裕層向けのコンテンツ内容の再検討とプロモーションの強化を課題として抱えていた。
今回の「地方創生プレミアムインバウンドツアー集中展開事業」では、この課題を踏まえたうえで企画を検討した。まず、下呂市馬瀬地域で行われいる松明の炎と音で鮎を網に追い込む伝統的な鮎漁法「馬瀬の火ぶり漁」を特別観覧席より鑑賞し良質な鮎を味わう体験を用意。また、通常は貸切利用されていない下呂温泉合掌村で国重要文化財「大戸家の合掌造り」を特別にライトアップし、1日1組限定で貸切利用を設定した。合掌村の展望台から合掌造り棟を見下ろせるプライベート空間でライトアップを眺め、郷土料理と飛騨の日本酒のテイスティングを楽しむというプレミアムな体験。さらに下呂温泉の伝統芸能である芸妓体験とお座敷遊びもセットに。下呂ならではの歴史的な文化財、伝統をインバウンド向けに高付加価値コンテンツ化させ、アジアや欧米の富裕層に訴求しようという考えだ。

松明の灯りと音で鮎を追い込む伝統漁法
「馬瀬の火ぶり漁」

合掌造りの家屋をライトアップ
事業は同観光協会を主体に、下呂市や下呂温泉旅館協同組合、JTBらと連携。海外ホールセラーや旅行会社らにアピールし、モニターツアーやファムトリップを経て、9―10月以降に体験商品として実施する予定。次年度以降の継続販売を見据え、今回の事業で拡大するOTAなどの販路の維持、観光協会や旅館協同組合との合意形成を図る。今回の事業で関係した旅行会社やホールセラーへ今回のコンテンツを中心とした宿泊パッケージ化、シリーズ化も呼びかけていく方針だ。
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