丹後の冬はカニとブリの二大グルメ 二者択一か、二兎を追うか
宮津郷土料理「ぶりしゃぶ」は必食もの
京都府丹後の冬の味覚の代表選手といえば、カニ。確かな品質のカニを最適な調理法で食べさせてくれる。丹後にカニを食べに行くのは安いからだけではなく、この時期、ここでだけ、特別においしいから行くのだ。
そのうえ丹後では、資源管理を基本にした漁のあり方も確か。持続可能なカニ漁に、もうずっと前から取り組んでいる。国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標の1つが「海の豊かさを守ろう」というもの。海洋汚染の防止や改善に加え、破壊的な漁業慣行を止め、水産資源の効果的な規制と管理が求められている。丹後のカニ漁は持続可能を基本に行われている。
天橋立観光協会では「冬の二大グルメ対決」として、ランチでカニ料理のフルコースが食べられる旅館ホテルや食事処を紹介している。
二大グルメとしてカニと同格に扱われているのが、寒ブリ。丹後の寒ブリは12—2月に大敷網漁で漁獲され、体長は大きいもので1メートル、重さ10キロを超える。
このブリを「ぶりしゃぶ」で食べる。日本海の荒波でもまれて締まった身を薄造りにして、昆布だしの鍋にサッとくぐらせ、ポン酢で食べる。天然の寒ブリの甘味、脂、締まった身の食感をシンプルに楽しめる。
ぶりしゃぶは50年ほど前に宮津で生まれ、郷土料理となるまでに食べ継がれてきた。発案者がはっきりしているのも郷土料理には珍しい。宮津・天橋立旅館組合青年部が地元名産のブリを、カニに並ぶ名物料理として売り出そうと考え、ブリが出世魚であることから「出世鍋」として開発した。大皿に、ブリの切り身が大きな花を描くように盛り付けられた様子は華やかでインパクトがある。
天橋立観光協会のウェブサイトにはカニ料理17プラン、ぶりしゃぶ4プラン、カニ&ぶり2プランが掲載されている。数ではカニの圧勝だが、ここでしか食べられないとなればなおさらのこと、ぶりしゃぶにも手が伸びる。
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