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夕暮れの天橋立を歩く

夜道もとてもいい感じ

今年、平成が終わる少し前に、久しぶりに天橋立を訪れた。東京からはとてつもなく遠いけど、とても好きな場所で、行くと必ず天橋立を徒歩で往復する。観光客が少なくなる夕暮れが特にいい。廻船橋の先のベンチで、ちくわをつまみに缶ビールを飲んでから、歩き始めた。

もう太陽は沈んでいて、空は黒くなりつつあった。ただ、西側の阿蘇海の方角には、明るさが残っている。松の林と阿蘇海越しに見るまちに明かりが点き始めている。松の木に隠れたり現れたりを繰り返し、歩く。

砂洲の幅が狭いところでは、端から端を歩いてみたくなる。かつて船が航行しやすいようにと、天橋立をぶった切ろうという計画があったという話を聞いたことや、雪舟が16世紀はじめに描いた天橋立の水墨画では、天橋立はまだ片方が陸地とつながってなく、砂嘴(さし)だったことなんかを思いつめぐらしながら歩いた。

40分ほどで、笠松公園側に着いたときは、もう真っ暗だった。ゴミ箱がなくて、空のビール缶をずっと持って歩いた。

足元を低い位置で照らす遊歩道灯のお陰で、天橋立は夜道でも困らない。文殊まで戻って運河沿いを旅館のレストランの華やかなオレンジ色の明かりを眺めながら少し歩いた。天橋立は、やっぱりいいところだと思った。

(東京総局長・阿部政利)

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