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遍路人口の減少に危機感 遍路とおもてなしネットワーク・半井真司理事長に聞く

共感の輪を広げ世界文化遺産登録につなげる

1200年の歴史を持つ四国の伝統文化であるお遍路を維持・継承するために当NPOがあるわけですが、今最も大きな課題はお遍路さんの減少です。外国人は増加してはいるものの、日本人のお遍路さんは減少傾向が続いており、21番札所太龍寺に向かうロープウエイの利用者数は20年前では15万人でしたが、10年前には10万人、2022年には5万人を切って4万6千人という状況です。

その理由としては退職年齢の引き上げなどによるワーキングシニアの増加、バス料金の値上がりや運転手不足によるバスツアーの減少などが考えられます。こうしたお遍路さんの減少により遍路宿や巡礼用品店の閉店が相次ぎ、人口減少や高齢化、過疎化などで地域住民のボランティア活動によって支えられてきた遍路道の保全やお接待などの受入態勢が弱体化しており継承が危ぶまれています。

こうした状況を踏まえて当NPOでは一般社団法人四国八十八ヶ所霊場会や四国経済連合会とともに、今年5月「四国遍路のありたい姿」を作成し、公表しました。これに基づき四国遍路の魅力を発信し、共感の輪を広げ知恵を出し合って課題解決に取り組んでいきます。

今後はこの輪を広げ世界文化遺産登録にもつなげ、四国遍路を後世に継承できるサスティナブルな文化遺産にしていきたく思っています。唯一無二の四国の宝である四国遍路文化を後世に引き継ぐには、今何をすべきかをともに考えようではありませんか。

半井真司理事長

半井真司理事長

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