遍路文化を後世に継承 “四国は一つ”守り育てる、持続可能なおもてなしへ
「四国はひとつ」の旗頭のもとに4県がひとつになって観光振興を進める四国。その根幹は、四国八十八カ所霊場を巡礼するお遍路さんへの「おもてなし」の文化だ。悠久の歴史を紡ぐなかで、その心根は四国全土の風土として根付き、日本観光のキーワード「おもてなし」の心を体現する地こそが四国だといえる。今、四国遍路を保存・継承していこうという取り組みがNPO法人遍路とおもてなしネットワーク(半井真司理事長=JR四国相談役)を中心に進む。四国人の"ソウル"を守り、次代へとつなぐことこそが四国ならではの持続可能な取り組みなのだ。
四国遍路のありたい姿 仲間づくりで輪を拡大
四国内の企業らでつくるNPO法人遍路とおもてなしのネットワークは5月、「『四国遍路のありたい姿』とその実現に向けた取り組み」という四国遍路の活性化に向けた今後のビジョンをまとめ、発表した。世界遺産への登録を目指す四国遍路の未来を見据え、四国八十八ヶ所霊場会、四国経済連合会と連携。四国が誇る遍路文化を後世に継承していくため一丸となって取り組みを進めていく。
現在、「四国八十八箇所霊場と遍路道」として世界遺産登録を目指して4県が活動を展開しているが、巡礼者の減少や遍路道の維持・管理の担い手不足、遍路宿の減少といった課題を抱えており、将来的な四国遍路文化の維持が可能か危惧されている。実際に、徳島県阿南市の21番霊場・太龍寺へ向かうロープウェイの利用者は1992年の約16万人から2022年には約4万6千人まで減少。遍路人口の縮小はまったなしの状況だ。
この局面を打開するため、今回示したビジョンでは「価値のとりまとめ」「仲間づくり」「課題対応」の大きく分けて3つのプロジェクトを展開。「価値のとりまとめ」では四国遍路の価値を広く共有できるキャッチコピーの考案、「課題対応」は遍路道の保全活動のサポートなどを行う。「仲間づくり」はいわゆる「お遍路サークル」でSNSを活用しながら四国遍路の価値や魅力を発信し、共感してくれた人を中心に輪を拡大していく。そのほか巡礼者の実態調査も含め、各プロジェクトを有機的に連携させ、官民連携で活性化へつなげる考えだ。
四国遍路の維持・継承に向けた具体的な取り組みとして展開しているのが「一日一斉おもてなし遍路道ウォーク」。持続可能な遍路文化の実現には地域コミュニティが不可欠として、地元住民を中心に遍路道約1200㌔を1日で一斉に区間を分けて歩き、遍路道の整備状況などを点検するもの。四国遍路への関心や世界遺産登録への機運醸成にもつなげることもねらう。2016年から始まり、今年は過去最多の約7500人が参加するなど、地域文化を守ろうとする地元の機運は高まっているようだ。

四国遍路の世界遺産登録に向けた
機運醸成につなげる遍路道ウォーク

遍路道の整備、清掃活動には地元住民を中心に参加。
コミュニティづくりにもつなげている
そのほか、「ちょっとマニアな四国遍路探訪」や「親子お遍路ウォーキング」といった様々なスタイルで四国遍路の魅力に触れてもらう体験企画も実施。活動の輪の拡大しながら四国遍路文化を地域を挙
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