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海路で行く 旅情豊かな松山へ(1) 呉-松山航路に瀬戸内海汽船「シーパセオ」就航

世界級の美しい景観を誇る瀬戸内海、文人たちに愛された歴史風土、日本を代表する古湯…3つの風情が相まって独自の観光文化を形成している愛媛県松山市。地域の特色を生かし、近年、先鋭的な観光振興の取り組みが進む。その松山へのアクセスは、せっかくなら海路を利用してみたい。今夏には広島県側とを結ぶ航路に新造船が就航するなど海の旅がより楽しくなった。瀬戸内海の潮風を浴びて、旅情豊かな松山の旅を楽しもう。

「海の散歩道」登場

8月1日、瀬戸内海汽船が広島・呉−松山を結ぶ定期航路に新造船「SEA PASEO(シーパセオ)」を就航した。同航路への新造船投入は28年ぶり。瀬戸内海の自然を体感しながら快適なクルージングを実現する設備を備え、船名の意味である「海の散歩道」を。松山への船旅がより充実したものになった。

シーパセオは全長61メートル、幅13・6メートルの3階建て、総トン数902トン。松山−呉−広島間を約2時間40分で結ぶ。定員は通常300人だが、災害時など臨時的に440人まで増やせるよう工夫。昨年の西日本豪雨の教訓から、より多くが乗船できる仕様にした。

シーパセオ

瀬戸内海の景観とだんらんが楽しめる
「SEA PASEO」

同船のコンセプトは「瀬戸内海の移動を楽しむみんなの公園」。進行方向の景色を楽しめる眺望席「パノラマソファ」、靴を脱いで横になって寝られ家族で楽しめる展望リビング「ひき波のHANARE(はなれ)」など、船内には瀬戸内海の景色とだんらんを楽しめる空間を用意した。海を眺めながらひとりでくつろげる「パノラマカウンター」は充電、PC利用も可能。バリアフリー対応も備え、個人から団体、家族連れまで様々な利用シーンに対応し自由に過ごせるようになっている。

シーパセオ

船内は個人から団体、家族連れまで
幅広いシーンに対応する

屋上のデッキに上がると、人工芝が敷かれた開放的な空間。ゆっくりできる東屋「しお風のガゼボ」もあり、瀬戸内海の潮風と景観美を体感でき、瀬戸内海ならではの船旅が楽しめるようこだわった。

運賃は広島港−松山観光港が大人3670円、呉港−松山観光港が同2720円。乗用車は35台積載でき、料金は車長6メートル未満で9060円。

瀬戸内海汽船は2020年にも新造船1隻の導入を予定。近年、松山市と広島県側各市らが連携して観光ルートとして浸透させてきた定期航路「瀬戸内海道1号線」はさらに充実する。

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