関西客5%の“未踏地”栃木県へ(1) 地下空間に驚き
関西からの観光客が年間観光入込客数のわずか5・6%に過ぎない栃木県。関西人にとって、栃木県は「未踏の未知の世界」に等しい。そこで、栃木県観光交流課では関西での知名度を高め誘客につなげようと、関西在住のメディアを対象にしたファムツアーを実施した。かく言う記者自身もあまり馴染みがない。栃木県の観光素材は関西市場ウケするものなのかどうか—。関西の旅行会社の皆さんに栃木観光の一端をお伝えしたい。
大谷石採石場跡から中禅寺湖へ
新大阪駅から東海道新幹線、東北新幹線を乗り継いで3時間半。多くの関西人が想定しているより早いのではないか、と思いながら宇都宮駅着。
駅から車で30分ほどの場所にあるのが、最近話題になることが多い大谷(おおや)資料館。江戸中期から昭和30年代まで稼働していた大谷石採石場跡に関する博物館で、展示資料もさることながら、圧巻なのは地下採掘場跡。地下30メートルから60メートルの間に広がる2万平方メートルの大空間だ。映画やドラマのロケ地として、コンサート会場としてもひんぱんに使われているそうだ。
次に向かったのは中禅寺湖。日光市からいろは坂をどんどんのぼっていく。実はこの湖、標高1269メートルの日本一高い場所にある。湖といえば琵琶湖を思い浮かべる関西人の常識を覆される。湖畔は、明治から昭和にかけては外国人の避暑地として賑わった。全盛期には約40軒の駐日外交官の別荘があったそうで、現在は英国大使館別荘記念公園とイタリア大使館別荘記念公園として別荘2軒が一般公開されている。テレビコマーシャルで、吉永小百合さんがイスに座って窓越しに湖を眺めた優美なシーンはここで撮影された。以後、同じポーズで記念撮影する人が続出だとか。
中禅寺湖には今夏「ザ・リッツカールトン日光」がオープンする。露天風呂付き温泉大浴場を初めて備えた、日本で5番目の「リッツ」ブランドとして注目を集める。
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