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“神君出生”岡崎城を探訪 松平以来、徳川を支えたまち

天下人の素養を培う 重臣らが歴代城主

徳川家康は1542年12月26日、三河岡崎城主を務める松平広忠の長男として岡崎城内で生まれた。戦国群雄割拠の時代にあって有力とは言えない武家に生まれた子が、のちに天下統一を果たすなど誰も想像しえなかっただろう。6歳で人質として他国へ出されるまで、幼名・竹千代の名でこの地で学び、天下人の素養を培ったか。家康が生まれ、家康を育んだ岡崎の地から家康紀行の歩みも始まるのだ。

家康生誕地・岡崎城は現在は岡崎公園として整備。伊賀川と乙川に挟まれた緑豊か、風光明媚なスポットとして観光客、市民に愛されている。

公園への入口となる大手門は高さ11メートル、幅16・4メートル。1993年に築造されたものながら、神君出生の地の名にふさわしい威厳を漂わせている。

二の丸に入ると、徳川四天王のひとり、名将・本多平八郎忠勝の銅像が。愛用の槍「蜻蛉切り」を構えた姿が勇壮だ。時間が来れば家康の人形が能を舞うからくり時計、大河ドラマ館の舞台となる「三河武士のやかた家康館」も備わっており、家康の銅像、松平元康像とともに家康のふるさとに来たことを感じさせてくれる。

本多平八郎忠勝の銅像

徳川四天王の一人、本多平八郎忠勝像。
愛用の槍を構える

徳川家康公像

家康公350年祭を記念して岡崎公園二の丸にたつ徳川家康公像

園内を歩き進むと、清海堀の向こうにそびえる岡崎城本丸・天守閣。松平家が入城した1531年以降に本格的な城郭が構えられ、現在は日本100名城にも選定されている。今川義元が桶狭間で敗れると、家康はここを拠点に自立。以降、嫡男信康のあとは石川数正、本多重次といった重臣が城代を、江戸以降は家康を生んだ城として家格の高い譜代大名が城主を務めた格式の高い城として知られている。

岡崎城

往時の姿をとどめる三層五重の天守閣。
1959年に市民の力で再建された

現在の天守閣は三層五重のほぼ往時のままの姿。明治期に取り壊され、堀と石垣が残っていたが、市民の力で1959年に復興されたもの。地元の誇りを物語る存在が岡崎城なのだ。

天守閣前には庶民の平和を祈る家康遺言の碑。天守閣内では歴史資料が展示されており、当時の岡崎城の姿を知るジオラマ、5階展望台から望む市内の眺望は必見だ。

城の裏手には、家康誕生の際の産湯を汲んだ「東照公産湯の井戸」。井戸の水に触れ、パワーを得たい。家康生誕時の胎盤を埋めた「東照公えな塚」も。

岡崎公園では、岡崎観光のPRを行う「グレート家康公『葵』武将隊」が活躍中。現代に蘇った家康や徳川四天王らが土日祝日に演舞、平日は案内などおもてなしで岡崎の魅力を伝えてくれる。

城を囲む川沿いの桜が春には満開。大河ドラマ放送で特別な年となる今年の春は、桜舞う岡崎城で歴史情緒を感じたい。

愛知県岡崎市 徳川家康観光に関するお問い合わせ

どうする家康 岡崎 大河ドラマ館
〒444-0052 愛知県岡崎市康生町561-1
電話0564–25–1883

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