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家康の人生観を育んだ寺社 将軍家の菩提寺、必勝祈願の神社

幼少期に通った寺や産土神も

岡崎に生まれた徳川家康は信仰に篤く、天下統一のつながる人生観を養ったといわれる。市内には家康ゆかりの寺社が今も点在。泰平の世への思いはここから始まった―。

大樹寺は松平氏と徳川将軍家の菩提寺で、1475年に創建。家康は幼少のころから南無阿弥陀仏の念仏を唱え、終生信仰心を持って生きたと伝わる。桶狭間で今川氏が敗れ、家康も敗走する際に同寺で自害しようとしたが、住職である登誉上人から制されるなど、家康の人生を語る上で欠かせない寺。家康が旗印に使った「厭離穢土欣求浄土」の言葉も、その時に上人から訓じられたものだ。

三代将軍家光が建立した厳かな山門から境内へ、そして本堂へと向かう。檜皮葺きの多宝塔は方形と円形の二重塔で、彫刻に室町末期の様式を感じることができる。国重要文化財。

大樹寺

家康の孫、三代将軍家光が建立した大樹寺の山門。
岡崎城を望むビスタラインも見どころ

松平家の墓、徳川歴代将軍の位牌、家光によって作られた家康の木像などが祀られているほか、家康直筆の南無阿弥陀仏を書き並べた六字名号のレプリカも現存。境内から山門、総門を通して岡崎城が見える「ビスタライン」は市民が守り続けてきた眺望だ。

大樹寺の少し南にある伊賀八幡宮は、家康が出陣の際に必ず祈願したといわれ、今も必勝祈願の神社として多くの人が参拝に訪れる。3代家光が家康を東照大権現として合祀。本殿や隨神門、神橋など大半が国重要文化財に指定されている。朱塗りと金をあしらった建物と7月ごろに咲く蓮の花のコントラストは初夏の風物詩。

伊賀八幡宮

出陣の際に家康が必ず祈願した伊賀八幡宮

そのほかにも家康・徳川家ゆかりの社寺は市内広範囲にわたって点在する。

六所神社は松平家の産土神として、松平・徳川家から信仰され、家康も誕生の際に産土神として参拝したという。現在は安産の神様として信仰を集める。平成期に修復事業が行われ、5万石以上の大名のみが上ることを許されたという石段を上がると、極彩色の楼門、絢爛豪華な社殿が。社殿や楼門などが国重要文化財に指定されている。

法蔵寺は家康が幼少のころ、手習いや学問に励んだと伝えられる古刹。硯や手本、机など家康の幼少期の品や、境内には六角堂開運勝利観音や東照権現宮、家康ゆかりの草紙かけ松、お手植えの桜なども残る。家康の縁者の霊廟や三方ヶ原の戦いの忠死者の墓があり、家康公の身代わりとなった夏目次郎左衛門吉信の墓もある。ゆかりから新撰組隊長・近藤勇のものと伝わる首塚も。

隨念寺は家康が祖父・松平清康らを弔うため開山。今も残る本堂は2代将軍秀忠が再建したもので、現存する三河浄土宗本堂最古の存在として往時を伝えている。

隨念寺

家康が祖父らを弔うため開山した隨念寺

奈良時代創建の古刹・瀧山寺は3代家光が擁護。鎌倉建築の特徴を残す本堂の存在感は圧巻。その東側にある瀧山東照宮は、家光が「家康生誕の地に権現様を」との願いで創建した。現在保存修理中で、2024年度の完成を予定している。

愛知県岡崎市 徳川家康観光に関するお問い合わせ

どうする家康 岡崎 大河ドラマ館
〒444-0052 愛知県岡崎市康生町561-1
電話0564–25–1883

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