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「島旅」次の一手 小豆島2町長、かく語りき(1) 三枝邦彦・土庄町長

島旅ブームの中、多くの観光客が訪れる香川県・小豆島。今年は3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭の開催年とあって、春会期には会場全体で約38万人の来場者で賑わい、その舞台である小豆島観光も活況を呈している。小豆島観光の状況とこれからについて土庄町の三枝邦彦町長、小豆島町の松本篤町長の2人に聞いた。

泊まりたくなる島を目指す

−瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)の春会期が4月26日に開幕し、5月26日に終了しました。小豆島観光の状況を教えてください。

三枝 瀬戸芸は期間中ゴールデンウイーク10連休と重なったこともあり、38万人もの方に来場いただき、好評でした。7月19日からの夏会期開催にもこの勢いに乗りたい。島のあちらこちらで外国人の姿が目立ち、外国人は島の風景に溶け込んでいるといったように思えるほどになっています。

それでも島内を訪れているインバウンド客は全体の20%ほどでしょうか。インバウンド客も大事ですが、観光客の大半を占める国内旅行客の誘致にも力を入れていかなくてはならないと思っています。

三枝邦彦・土庄町長

三枝邦彦・土庄町長

−テレビや映画、コマーシャルなどの露出で小豆島は行きたくなる島といった感があり、実際に流入者が多いと聞いています。

三枝 小豆島町と合わせて年間350人ぐらいが移り住み、ありがたいと思っています。ただ人口減に歯止めがかかっているわけではないので、その点はしっかりと将来ビジョンを描きたいと思います。

−高松がホテル建設ラッシュで高松に泊まる観光客が増え、フェリーで小豆島に来て泊まらずに戻ってしまうケースが目立っています。

三枝 高松のホテルに泊まる観光客のほとんどがB&B。ホテルに泊まって高松市内で食事をするので、地域経済の活性化にはなっていると思います。その点、小豆島は1泊2食型の旅館が多く、仮にB&Bで対応しても外に食べに行くところが限られており、B&Bが成立しにくい環境下にある。小豆島に宿泊したくなる整備が必要だと思います。

−今、最も力を入れたいことは。

三枝 令和元年の幕開けに、岡山県笠岡市と一緒に香川県丸亀市、土庄町、小豆島町の2市2町が「知ってる!?〜悠久の時が流れる石の島 海を越え、日本の礎を築いた せとうち備讃諸島〜」が日本遺産の認定を受けました。土庄町には大坂城を再建する際に採石した大規模な丁場跡が残り、大坂城残石記念公園や大坂城残石資料館、山頂で巨石が重なり合う重石(かさねいわ)などがあります。

こういった小豆島の石文化の魅力を広めて、観光客誘致にも活用したいと思っています。

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