「持続可能」掲げ四国一丸 その実力は世界へ
四国が進める観光のテーマは「持続可能」だ。社会全体のテーマとしてもはや中心に座りつつあるサステナブルをキーワードに、四国内各所が手を取り合い、四国全体がひとつになって持続可能という目標に向かってまい進している。四国ツーリズム創造機構や四国内の市町村、DMOが参画する「四国『持続可能な観光』推進ネットワーク」だけでなく各地域も独自の取り組みを展開。次代へつながる観光地四国ならではの「Shikokuブランド」を確立し、懐かしくも最先端の旅を旅行者に提供する。
SDGsへの取り組み、四国各地で
四国「持続可能な観光」推進ネットワークは2022年7月に設立。SDGsへの取り組みが観光面でも求められるなか、ノウハウや国際認証取得に対する知識不足などの地域が抱える課題を解決、自治体間で意識を共有することで四国全域が持続可能な観光地である「サステナブルアイランド四国」というブランドの確立につなげる。国際基準に基づいた観光庁の「日本版持続可能な観光ガイドライン」を活用して国際認証の取得やプロモーションなどに取り組み、サステナブルな観光地四国構築を目指した取り組みを進める。
四国4県から自治体やDMOが参画。四国ツーリズム創造機構の半井真司代表理事が代表幹事を務める。
活動内容は、自然環境に配慮したサービスの提供、商品の開発、ガイドの育成▽SDGsを意識した地場従事者間のサプライチェーン構築▽観光関連事業者の消費ではなく環境に配慮し経済合理性に基づいた持続可能な事業の継続。「日本版持続可能な観光ガイドライン」や世界持続可能観光協議会の持続可能な観光地の国際基準を生かしてブランド化。視察やセミナー、専用サイトでの会員の事例紹介、体験プログラムの設定、プロモーションを通して四国内外への機運醸成へ情報発信・交換を行っていく。
四国の実力はすでに世界から認められつつある。持続可能な観光の国際的な認証団体グリーン・デスティネーションズが10月9日に発表した「世界の持続可能な観光地TOP100選」に日本から選出された10地域のうち、四国からはエリア別で最多となる3地域が選出された。選ばれたのは、伝統的工芸品「丸亀うちわ」の伝統継承に取り組む香川県丸亀市、古くから続く「祖谷のかずら橋」の維持に注力する徳島県三好市、古民家の保全を中心としたまちづくりに取り組む愛媛県大洲市。地域固有の文化を持続可能な形で受け継ぐ精神はインバウンド誘客にもつながるはずだ。
9月には全国の参画旅館ホテルでつくる夕陽と語らいの宿ネットワーク主催の「全国夕陽サミット」がオリビアン小豆島夕陽ヶ丘ホテル(香川県土庄町)で開かれた。持続可能な観光やまちづくりについて、土庄町の岡野能之町長と小豆島町の大江正彦町長、四国ツーリズム創造機構の半井真司代表理事がパネルディスカッションを行い、夕陽をシンボルと位置づけたまちづくり、地域経済活性化について議論。地域資源を生かしサステナブルなまちづくり観光を進める意識の醸成が進み始めており、持続可能を主軸にした取り組みは各所で活発化している。
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