佐喜浜ミニ四国八十八カ所 ガイドツアーも実施
往時の賑わい、元気づくりに取り組む
土佐備長炭や木材の積出港として賑わい、上方文化の影響を色濃く受けた佐喜浜。市西部の吉良川と並ぶ交易の拠点だった。いまは1300人あまりが暮らしている海沿いの静かな集落だが、最盛期には1万3千人が住み、映画館や芝居小屋など盛り場があるほど賑わったまちだった。
まちの活性化に、NPO法人佐喜浜元気プロジェクトが精力的に取り組む。毎年夏には「夜のジオ市」と題して、多くの室戸市民が押し寄せる。プロジェクトリーダーの東野敦夫さんらによるライブをはじめ地元の産品を生かした料理を販売する。
また秋に行われるのが奇祭「佐喜浜俄(にわか)」。250年ほど前に大阪から伝わったとされる、仮装して即興で演じられる芝居が見どころ。社会風刺的な芝居で、座敷では酒が振る舞われ、笑いが絶えないそうだ。
そして今、佐喜浜のコンテンツとして地元で推しているのが「ミニ四国八十八カ所」。集落近くの里山に八十八の石仏が点在しており、それをめぐると四国八十八カ所巡礼と同様にありがたい気持ちになり、地元の人を中心に信仰を集めてきた。江戸時代から続いている。
ミニ四国八十八カ所のガイドで、佐喜浜元気プロジェクトの西河誠司さんに1番から5番までと88番の石仏を案内してもらった。
「石仏に刻まれている文字を読むと、石仏の寄贈者は大阪の人が多いんです。佐喜浜と大阪の交易が盛んだった証やね」。途中で折り返したが、このまま登ると、高台から太平洋の雄大な景観が楽しめるそうだ。
88番の石仏をお参りした後、西河さんの畑が広がる。「秋はコスモスが一面に咲いて、八十八カ所を回り終わった人に極楽浄土を感じてもらえるかな?」と笑った。
西河さんら地元ガイドと一緒に歩くミニ四国八十八カ所めぐりのツアーは定期的に開催。参加料は大人1500円。地元産の手打ちそばなどが付くことも。
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