鋼の聖地・島根安来を訪ねて 日本遺産モニターツアー(1) たたら製鉄の歴史文化を知る
島根県の安来市観光協会が、約1400年前から続く鉄づくり「たたら製鉄」をクローズアップしている。日本遺産「出雲國たたら風土記」にも選ばれている深遠なたたらをめぐる物語を、安来ならではの旅として打ち出す。アニメ映画のヒットなどもあり、いま世は日本刀がブーム。日本刀の原料となる玉鋼(たまはがね)はたたら製鉄でしか生産することができない。“鋼の聖地”安来市を旅しよう。
積み出し港と町並み散策
安来市観光協会は昨年11月27−28日、モニターツアー「日本遺産『出雲國たたら風土記』を安来から感じる旅」を実施した。地元観光関係者らに加えて、日本遺産選考委員の丁野朗さんが同行。日本遺産を構成する市内の資源をめぐった。
モニターツアーの始まりは、特急が停まる駅で海が一番近いというJR安来駅から。中海が近く、安来港は鉄の積み出し港として栄えた。駅や港周辺にはたたらで財を成した問屋屋敷の建物が残り、一部には風情ある町並みを形成している。
和鋼博物館は、丁野さんが「たたらの旅のゲートウェイとして格好の存在」と評価し、たたら製鉄の歴史やそれに付随する文化を俯瞰的に知ることができる。日本刀を手にする体験もあり、「日本刀も博物館前にSLが展示されていますが、これは無限列車らしく鬼滅の刃ファンに喜んでいただいています」と小村滴水館長。予約すれば館長自ら館内を案内する。
鉄の神様を祀る金屋子神社、金屋子神話民族館は一体的に参拝と見学する。市教育委員会の高岩俊文さんの案内で詳しく、楽しく見ることができたが、ガイドなしではその魅力は半減してしまうことが課題か。
江戸期から続く鍛冶工房弘光は、昔ながらの鉄製品づくりを間近で見られる貴重な場所だ。工房で生産された燭台などは、お土産にもいい。
(次の記事)鋼の聖地・島根安来を訪ねて 日本遺産モニターツアー(2) 1泊2日で地域のストーリーに迫る
島根安来 旅のおすすめサイト
安来市観光協会【島根県】
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