瀬戸内国際芸術祭2022を歩く “四国の旬”を訪ねて前編(1) 宇野港エリア・まちの歴史と生活をアートで感じる
昨年のデスティネーションキャンペーン(DC)に続き、今年はアフターDC、JTB「日本の旬」、そして瀬戸内国際芸術祭とビッグイベントが相次ぐ四国。観光復活へ準備万端という機運が全域にわたって高まっている。今回、5月にJR四国の招きで香川、徳島両県を中心に出掛けた。“四国の旬”を見聞する旅に心が躍った―。
かつての四国との玄関口がアートで再脚光
旅の中心は、瀬戸内国際芸術祭。国内外から注目を集めるアートイベントの春会期ラストに訪れた。
大阪方面から山陽新幹線で岡山へ。宇野線に乗り換え、同祭の会場のひとつ宇野港エリアで作品を求めて歩く。あいにくの雨天だったが、駅そのものがアートプロジェクトの作品だったり、放置自転車を活用したアート自転車が並ぶ「終点の先へ」など、いきなりアートを感じながらまち歩きはスタートした。
かつて宇高連絡船が運航され四国との玄関口として賑わったまちの商店街にもアートの風が。「時間屋」は、静寂の小スペースのなか、上から一筋の塩が流れ落ち続ける作品。製塩が盛んだったまちの歴史をアートで表現した。塩は量り売りでお土産に。

製塩業が栄えた歴史を表した「時間屋」(長谷川仁)
商店街ではほかにも、西洋風建築が目を引くかつての病院で映像と写真を通して“破壊と再生”を伝える「実話に基づく」、古民家を活用した「赤い家は通信を求む」、港周辺では「舟底の記憶」「宇野のチヌ/宇野コチヌ」といった廃材を使ったオブジェを鑑賞。まちの歴史と生活を、アートを通して感じる散策は瀬戸芸ならではの新鮮さだった。

「実話に基づく」(ムニール・ファトゥミ)
は古い病院が舞台
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