観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

「竜の子街道」への誘い-常滑、半田、碧南、西尾4市が連携 醸造でつなぐ「うま味」の旅へ

中部国際空港から東へ 周遊タクシープランも

愛知県の空の玄関口、中部国際空港がある常滑市から東へ、半田市、碧南市、西尾市と続くルートを「竜の子街道」として売り出すプロジェクトが4市連携で進む。4市に根付く伝統産業「醸造」で観光ブランド化、和食のルーツ・醸造による「うま味の世界」への旅を提案している。

プロジェクトは2016年4月に始まった。愛知県を含む中部9県が「昇龍道」プロジェクトで広域観光連携を展開するなか、主要ルートから外れていた4市は、4市を合わせた形状がタツノオトシゴに見えることから「竜の子街道」として観光連携を決定。観光ブランドには、古くから盛んだった醸造業という4市共通の文化を据えた。醸造業にまつわる産業観光を軸に、食をはじめ地域独自の文化や景観など観光素材をアピール。旅行企画やイベントも展開し、国内外の観光客に観光地としての魅力を周知している。

観光のテーマは「UMAMI ROAD」。「日本の真ん中には、うま味の故郷がある。」をキャッチフレーズに、日本が世界に誇る和食のルーツには醸造文化があるという考えのもと、現役の蔵をめぐって「うま味のある旅」へ誘う。

「竜の子街道」に根付く醸造文化は、味噌、醤油、酒、酢、みりん。いずれも各市に現役の蔵が活躍を続け、古くからの文化を受け継いでいる。

半田市の町並み

黒塀の醸造蔵が建ち並ぶ
半田市の町並み

愛知DC期間から冬にかけては、通年で実施している周遊タクシープラン「うま味と歴史発見ツアー」の期間限定コースを設定している。

10月3日は「300万本の彼岸花咲く矢勝川散策とお酢に触れる半田旅」、10月30日と12月16日、19年1月12日、2月24日は「藤井達吉&てらまち散策と碧南の郷土料理を味わう旅」、19年2月10日は「天下の奇祭・鳥羽火祭りをまるごと楽しむ西尾旅」、19年2月23、24日は「常滑・澤田酒造酒蔵解放&盛田味の館でみそ料理を満喫」。

いずれも日帰り。出発地は各市の名鉄主要駅に対応しており、料金は5200円―3万2400円。コースや出発地、乗車人数によって異なる。問い合わせは半田市観光協会 電話0569―32―3264。

「竜の子街道」4市の魅力は醸造同様奥深いもの。「UMAMI ROAD」の深みに触れる旅に出よう。

常滑市は、江戸時代から酒や味噌、醤油が生産されてきた。「味の館」で酒、みそ、たまり、しょうゆの製造工程、澤田酒造では蔵の見学を楽しめる。常滑は六古窯の一つ・常滑焼でも知られ、陶磁器会館から始まる路地歩き「やきもの散歩道」を探索し、焼き物のまちの風土に触れよう。

半田市は、江戸時代から醸造業と海運業が発展。まちにたたずむ蔵や歴史的建造物にものづくりの魂を感じることができる。国内有数の酢のメーカー・ミツカンの「ミツカンミュージアム」、幻の「カブトビール」を試飲できる「半田赤レンガ建物」などで醸造文化に触れたい。

三河湾に面する港町・碧南市は「白醤油発祥の地」「日本最古のみりん」を矜持として誇り、白だし専門メーカー・七福醸造や国内最古のみりん醸造元である九重味醂でその威厳を体感できる。温暖な地らしく、桜から富藤、花しょうぶへと移る春から初夏の三大花まつりも見どころ。

城下町風情漂う西尾市では味噌、酒、みりんと古くから個性的な逸品が生産されてきた。「みそぱーく」では蔵の見学から味噌料理レストランまで味噌の魅力が充実。抹茶やウナギといった幅広い食の名産も自慢だ。

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