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霊峰・大山が開山1300年 山麓地域で秋にかけ記念事業を展開

日本遺産の地の“旬”と歴史を感じる

日本最古の“神山”と称される、霊峰・大山が今年開山1300年を迎えた。山麓の地域では古くから山岳信仰の対象として感謝し、そして大山に見守られ暮らしを営んできた。鳥取県はこの節目を記念し今年、「大山開山1300年祭」を展開。神事や山に親しむイベントを開き、大山の魅力を発信、次代にその歴史を受け継いでいく。

大山

山麓エリアを見守るようにそびえたつ大山
(南部町・とっとり花回廊からの光景)

同祭では四季ごとにテーマを設けて開催。加えて大山寺地区の特別行事、大山の不思議と地蔵信仰、たたらなど大山の恵み、大山がもたらす食材や自然などを感じることを題目に、イベントを設定している。

4―6月は「第一章・開く」。5月20日に大山寺で開かれた開創法要を皮切りに、6月2―3日の同寺参道での「夏山開き祭前夜祭・山頂祭」などを通して祈りと山開きのありがたさを伝える。

7月は「第二章・遊ぶ」。14日は南部町・母塚山展望駐車場、21日は伯耆町の桝水高原スキー場で星空観察を行う「大山星のフェスティバル」が開かれる。7月1日―9月30日は「謎解き宝探し」で山麓エリアを歩いて楽しむ。

8月の「第三章・灯す」は10―11日に「山の日記念全国大会」を米子市・大山町で開催。夏のメーンイベント「お盆の大献灯」は記念年ということで通常の10―15日に加え、24―26日、9月22―24日にまで期間を拡大し「大山の大献灯」として開く。絵とうろう、和傘を使った幻想的な献灯が見どころだ。

9―11月は「第四章・調ふ」。9月30日は「たいまつ行列」が大神山神社奥宮―大山寺博労座で開かれる。夏山開き祭前夜祭のたいまつ行列が記念祭にあわせて秋も開催。参加者がたいまつを手に参道を歩いてできる「炎の河」の風景は荘厳の一言だ。同日に大山古道で開かれる「新しい大山詣りホーリートレイル大会」後の参加も呼び掛けている。そして10月20―21日の米子市での「大山ワンダーフォーラム」で同祭はクライマックスを迎える。

たいまつ行列

大山寺の「たいまつ行列」。
炎の河で祈りを捧ぐ

この節目の年に大山を訪れたら、地域に根付くストーリーを感じて旅したい。山麓地域の大山町、伯耆町、江府町、米子市では大山信仰の文化を表す物語「地蔵信仰が育んだ日本最大の大山牛馬市」が日本遺産に認定されている。

平安時代から大山登山の際の地蔵菩薩への信仰が篤く、地蔵菩薩の化身をまつる大神山神社奥宮、大山寺には多くの人が集まった。江戸―明治時代にはその信仰から「大山牛馬市」が隆盛し、参詣者や牛馬の往来で山麓は賑わったという。今も大山道沿いには石畳道や宿場の町並みなど往時の面影が色濃い風景、郷土料理「大山おこわ」、伯耆町の名水「地蔵滝の泉」、「はまなんご神事」といった風習が残っている。

大山の地蔵信仰を訪ねてまわる7.2キロの散策コース「大山寺三十三カ所地蔵めぐり」は物語を体感するのに最適だ。

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