ラジウム泉を生かし「現代湯治」 鳥取県・三朝温泉
鉱泥湿布やラドン熱気浴 16旅館など治癒と保養
三朝温泉の湯は、高濃度のラドン含有量を誇る世界屈指の放射能泉。ラドンとはラジウムが分解されて生じる弱い放射線で、呼吸で体内に入ると前身の細胞を刺激して働きを活性化する。世界有数のラジウム泉を誇る三朝温泉の効能の高さは国内外でも有名で、各地から治療と保養に訪れる人が絶えない。
湯治といえば1週間―1カ月、長いと3カ月以上行うものだが、三朝温泉が提案するのは、現代人に適した新しいスタイルの「湯治」。世界有数のラジウム泉を誇る三朝温泉が提案する温泉や自然をとことん楽しみ、健康を見つめ直す現代版の湯治である。
三朝温泉の「現代湯治」は、病院と街と旅館が連携し、お客様ひとりひとりに、真心を込めたおもてなしをしている。また、滞在中は三朝温泉の歴史や泉質、温泉効果や上手な温泉の入り方などを熟知しているスペシャリスト「ラヂムリエ」からアドバイスも受けられる。
三朝温泉で現代湯治の対応旅館は16軒ある。ストレス解消と温泉でリフレッシュしたい人向けのプランのほか、医療機関で人間ドック検査をラドン熱気浴とともに体験できるなど健康志向の人向けのプランなどがある。現代湯治プランの料金や泊数の条件等は旅館によって異なることから要確認。
三朝温泉の宿泊客が限定で体験できるのが「鉱泥湿布」。これは古来より腰痛や五十肩、股関節痛など疼痛疾患の効用で知られる。三朝温泉病院で行っている鉱泥湿布は1日1回、鉱泥温度80度に温めた三朝温泉の泥をタオルでくるみ、30分ほど患部を温める。体験者からは「身体がホカホカして和らいだ」「身体の深部まで熱が行き渡り病気が改善された」といった声が届いている。
三朝には、ラドン熱気浴を体験できる施設として、天然ラドン熱気浴泉「すーはー温泉」がある。「吸ってよし、飲んでよし、浸かってよし」と三拍子揃った温泉であり、熱気浴施設は「吸ってよし」なことから、温泉を「吸って吐く」のイメージで命名された施設だ。湧き出る温泉の熱を利用した熱氣浴室(室温31―46度、湿度70―88%、天然のものなので季節・天候により変動)に30分(冬季は40分)入り、ラドンを体内に取り込める。ラドンを吸って吐ける専用浴室として、高濃度熱気浴室「不老庵」や熱気浴室「恋泉庵」、乾式熱気浴室「ヴァポリウム」がある。予約制で、2カ月前から予約できる。
このほか、ラドン熱気浴が楽しめる施設として「健康づくりの湯治宿ブランなーるみさき」がある。
三朝温泉に点在する温泉施設は足湯が4、公共露天風呂が1、公衆浴場が2、飲泉場が3あり、温泉を楽しめる。中でも公衆浴場の株湯は飲泉場でもあり、三朝温泉の由来となっている。現在の建物は2010年にオープンし、楠の古木の根元から湧く源泉かけ流しの高温の湯を求めて、年間約3万5千人が訪れている。大人400円、小人250円。営業は平日が8時―21時45分(月曜日のみ10時から)。
三朝温泉のシンボル的存在の公共露天風呂・河原風呂は無料で24時間入浴できる。足湯と飲泉場はすべて無料。
また、宿泊をしなくても18の旅館で日帰り入浴が可能で、料金は500円から1500円まで。利用時間は11―21時だが、旅館によって違うので要確認。
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