水郷の風情を楽しむ日田温泉 屋形船と鵜飼
天領の風が運ぶ優雅と風流 船上で旅館の料理味わうぜいたく
日田は江戸時代、幕府の直轄地、天領として栄えたまち。一方で、筑後川上流の三隈川が流れ、「水郷」と称される風情も併せ持つ、歴史と自然が融合した風土が漂っている。そんな日田に根付く伝統が屋形船と鵜飼。これまた水の恵みである日田温泉では各旅館が屋形船を有しており、季節の風を感じながら楽しむぜいたくな時間を演出する。天領、そして水郷の情緒を体感するのにもってこいの体験だ。
日田の屋形船は200年の伝統を持ち、天領日田ならではの優雅な遊びとして江戸時代に最盛期を迎えた。今でも屋形船文化が盛んな岐阜・長良川と並び称されるほどの規模を誇り、日田温泉の名物となっている。屋形船が一斉に川面に浮かぶ姿は、船上から見ても川岸から見ても壮観だ。夏は涼を求めて川に浮かび、秋は月見。そして11―4月の冬季は障子張りでこたつに入っての雪見船と、四季折々の風流を味わえるのも魅力。
また、屋形船の楽しみのひとつが食事。屋形船を持つ旅館では、船上で宿の料理を持ち込み、夕食として楽しめるというぜいたくなプランを設定している。三隈川の季節の情景に包まれながら、地元の食材を使った会席料理とお酒を味わう宴会は団体旅行を一層趣深いものにしてくれるだろう。
屋形船の利用料は、乗合乗船料1人4千円、貸切利用料は20人乗りが4万3千円程度。旅館によって変動するため各旅館と要相談。食事の料金は別途必要。
屋形船を取り扱っている旅館は、亀山亭ホテル▽よろづや▽みくまホテル▽KIAZAN倶楽部。caffelひなのさとではクルーズ船を用意している。予約は各旅館まで。
屋形船体験の価値を増幅させるのが鵜飼。5月20日―10月下旬のシーズン中、屋形船の間を縫うように鵜たちの活躍が見られ、日田の風物詩として親しまれている。
三隈川での鵜飼は日田を治めた豊臣秀吉の家臣が始めたと伝わり、約400年の歴史を持つ。現在は大分県重要無形文化財に指定、日田の夏の風物詩として受け継がれている。
川魚をとるように訓練された海鵜を、鵜匠が巧みに操る技は必見。船にはかがり火がたかれ、灯りに浮かび上がる伝統のショーは、優雅と風流を体感させてくれる。
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